研究課題/領域番号 |
19K15385
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
岩崎 拓哉 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (50814274)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | グラフェン / 六方晶窒化ホウ素 / モアレ超格子 / 量子ドット / 量子ホール効果 / 単一電子輸送 / 量子輸送 / 単電子輸送 / 量子デバイス / 単電子デバイス / バレートロニクス / デバイス物理 |
研究開始時の研究の概要 |
二次元材料であるグラフェンおよび六方晶窒化ホウ素(hBN)を、ファンデルワールス転写法により結晶方位を揃えて積層させたグラフェン/hBNモアレ超格子ヘテロ構造を用いて、量子力学的自由度であるスピンとバレーを用いた基礎的な機能素子を開発する。この素子を用いて、グラフェンおよびグラフェン/hBNモアレ超格子のキャリア輸送におけるスピン・バレー依存性を評価・解析し、超低消費電力素子の実現および物性物理学におけるバレーの役割・性質のより深い理解・解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、スピン・バレー自由度を制御するためのグラフェン積層ヘテロ構造素子の開発を目標とし、まず、高品質積層構造を歩留まり良く作製するための独自技術:バブルフリー転写法を開発した。これにより、グラフェン/六方晶窒化ホウ素(hBN)積層ヘテロ構造・モアレ超格子構造を作製し、世界最高水準品質の二層グラフェン素子を実現した。また、モアレ超格子構造を用いた二重量子ドット素子を作製し、モアレ超格子における単一電子輸送および量子ホール効果の観測に成功した。さらに、2枚の二層グラフェンとhBNで構成したツイスト構造素子を作製し、強相関に起因する絶縁状態を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発したバブルフリー転写法は、遷移金属ダイカルコゲナイド等様々な層状物質に応用可能であるため、二次元物質研究分野の更なる発展に貢献する重要な成果である。また、モアレ超格子二重量子ドット素子の実現はこれまで困難であった磁場中のモアレ超格子量子ドット特有の単電子輸送特性の解析が可能とし、電子一個を制御する究極の低消費電力・量子情報処理技術の発展に繋がる重要な成果である。ツイスト構造に関する結果は、「折り畳んでツイスト構造を作る」という新しい設計指針を与え、急速に発達している当該分野において、高品質素子作製工程のブレークスルーとなる可能性があり、将来のデバイス応用の基礎となる成果である。
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