研究課題/領域番号 |
19K15386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柳瀬 隆 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00640765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ナノワイヤ / 化学気相蒸着法 / 抵抗モニタリング法 / コア・シェル構造 / Feナノワイヤ / 形状磁気異方性 / Fe/Fe3O4コア・シェル構造 / 超格子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では強磁性ナノワイヤ構造体を自在に創成する技術を確立するため、独自に開発を進めてきた化学気相蒸着法(CVD法)を改良して、単一プロセスでFe/非磁性金属(NM)/Fe超格子構造をナノワイヤに作り込み面直通電型巨大磁気抵抗効果(CPP-GMR)を評価することを目的とする。FeナノワイヤがVS機構で成長すること、FeとNMがエピタキシャル成長可能であることに着目して原子レベルで平坦な界面を持つFe/NM/Fe超格子構造を1本のナノワイヤに構築することを目指す。本研究が発展すれば、強磁性体を利用したナノ構造をナノワイヤ中に自在に作り込むことができるようになる。
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研究成果の概要 |
化学気相蒸着法により合成した単結晶Feナノワイヤの表面を酸化することで、Fe/Fe3O4コア・シェルナノワイヤの作製を試みた。酸化層であるFe3O4の厚さを制御して酸化を行うために抵抗モニタリング法という新たな手法を開発した。低温・低酸素圧下でゆっくりと酸化することにより、Fe(100)上にエピタキシャルの関係を保ちながらFe3O4が形成されることを明らかにした。さらに抵抗モニタリング法で算出したFe3O4の厚さが透過型電子顕微鏡で観察した厚さと一致することを確認し、抵抗モニタリング法の有効性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CVD法により作製したFeナノワイヤは大きなアスペクト比と良好な結晶性を有し、この手法はNiやCoといった他の強磁性ナノワイヤの作製に転用できる。本研究で開発した抵抗モニタリング法はFeナノワイヤに対してのみではなく、酸化などで抵抗が変化する材料に対して普遍的に用いることができる。実際に、抵抗モニタリング法で推定した酸化層の厚さとTEM観察により決定した酸化層の厚さは一致しており、その有効性を実証できた。将来的には、この抵抗モニタリング法を用いてコアとシェルの厚さが適切に制御されたナノワイヤを量産することで、交換スプリング効果を利用した希少金属を用いない強力な永久磁石ができると考える。
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