研究課題/領域番号 |
19K15396
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
正村 亮 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (50757599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シングルイオン電導性ポリマー / カーボンナノチューブ / Li負極二次電池 / イオン伝導 / シングルイオン伝導 / 複合材料 / 二次電池 / リチウムデンドライト / シングルイオン伝導性ポリマー / リチウムイオン伝導 / 酸化グラフェン / π共役系 / 混合伝導 / π共役系ポリマー / イオン液体型ポリマー / イオン液体 / 電子伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、電子(正孔)伝導体であるπ共役系分子と、イオン伝導体であるイオン液体を精密に複合化させ、1種類の材料中で電子伝導とイオン伝導を同時に有する、「新規混合伝導性有機材料」の創成を行ない、構造と電子伝導度・イオン伝導度との相関を明らかにする。 π共役系分子と、イオン液体は、それぞれが著しい発展を遂げ成熟されつつある材料であるが、これらの特徴を融合させた研究はほとんどなく未踏の領域であり、学際的な研究として推進していくことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、電子伝導体とイオン伝導体を精密に複合化させ、1種類の材料中で電子伝導とイオン伝導を同時に有する、「新規混合伝導性有機材料」の創成を行っている。2022年度は、電子電導性材料であるカーボンナノチューブ(CNT)と、シングルLiイオン伝導性ポリマーであるポリスチレンスルホニルイミド-Li(PSTFSI-Li)との混合材料を作成し、Li負極表面へのコーティング膜として、各種物性評価やLi-Li対象セルへ実装してのサイクル評価を行った。 CNTは各種有機溶媒へ不溶のため、CNTとPSTFSI-Liを有機溶媒中で撹拌しても混合できない。そのため本研究では、CNTへの吸着部位であるピレン誘導体を側鎖に有するモノマーを合成し、PSTFSI-Liとの共重合体を合成した。この共重合体を用いることにより、CNTとPSTFSI-Liとを有機溶媒中で均一に分散させることに成功した。この分散液を新規なコーティング材料として、Li負極上へ塗布し、Liの溶解析出反応時の安定化を目指した。 本材料をLi-Li対象セルのLi金属上にスピンコーティングして、充放電にともなうLiの溶解/析出反応の繰り返し試験を行った。その結果、コーティングをしていない場合や、PSTFSI-Liのみをコーティングした場合と比較して、Liの溶解/析出サイクル増加にともなう過電圧の上昇が抑制され、長期での安定化が示唆された。これはコーティングによって電極界面での電解液の分解が阻害され、絶縁性の不動態膜の吸着が抑制された結果であると推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、新規混合伝導性有機材料を合成し、二次電池などのエネルギー材料に応用することを目標としている。本年度の成果として、CNTとLiイオン電導性ポリマーを有機溶媒中で均一に分散し、混合電導性のコーティング材料として実際のセルへの実装までを行った。またサイクル試験を実施し、物性に関する結果も得られており、概ね順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の予定として、CNTとPSTFSI-Liの混合比を変えて、Li-Li対象セルのサイクル特性の変化を観測し、最適な割合を求め実際のLi負極二次電池への実装を目指す。また、電導性に関する知見を得ることを目標とする。特に混合電導材料中の電子伝導とイオン伝導との切り分けは極めて難しい。しかしながら、新規な混合電導性材料設計の重要なファクターとなってくる知見であるため、電子電導とイオン電導それぞれを切り分けての測定法の確立を目指す。
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