研究課題/領域番号 |
19K15401
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河崎 陸 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (40836194)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ポリペプチド / 自己組織化 / ナノ材料 / 刺激応答性ナノ材料 / タンパク質医薬品 / ゲノム編集 / オルガネラ / バイオ医薬品 / ドラッグデリバリー / ペプチド / 刺激応答性ナノ粒子 / 活性酸素種 / 分子集合体 / ナノマテリアル / 刺激応答性 |
研究開始時の研究の概要 |
植物細胞を構成するミトコンドリアや葉緑体は物質生産やエネルギー生産などの役割を担っている。またミトコンドリアや葉緑体は独自の遺伝子を有しているため、核酸や機能性タンパク質の送達によるオルガネラの機能制御や機能改変が試みられてきた。しかしながら、これら2つのオルガネラへと選択的かつ効率的な核酸やタンパク質の送達は困難である。本研究では、これら2つのオルガネラ移行性ペプチドと会合性ペプチドからなる融合ペプチドが構築するナノ会合体への活性酸素種(ROS)応答性の付与による植物細胞のミトコンドリアや葉緑体への選択的かつ効率的な送達技術の開発を目的としている。
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研究成果の概要 |
オルガネラ選択的なバイオ医薬品送達基盤の開発を目標にポリペプチドを基盤材料としたナノ材料を作製した。まず植物の葉緑体やミトコンドリアの働きによって過剰に生じる活性酸素種に応答し分解性を示す素子の開発を行なった。そこでオリゴプロリンペプチドに着目した。このオリゴプロリンペプチドは光合成によって生じる活性酸素種濃度での分解を実現した。すなわち、葉緑体選択的な送達システムとして期待できる成果を得た。 また植物のゲノム編集を目指し、CRISPR/Cas9 gRNA複合体を搭載した膜透過性ペプチド提示ポリイオンコンプレックスベシクルを作製した。膜透過性ペプチドの提示によって、ゲノム編集効率を向上した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により開発したオリゴプロリンペプチドからなるナノ粒子や膜透過性ペプチドを提示したポリイオンコンプレックスベシクルはその内部に低分子から核酸、タンパク質を安定に内包できる送達基盤材料としての高いポテンシャルを示した。特にオリゴプロリンペプチドからなるナノ粒子は葉緑体の光合成に応答して内包薬剤を選択的に放出できる。また膜透過性ペプチドを提示したポリイオンコンプレックスベシクルはその内部にCRISPR/Cas9 gRNA複合体を封入し、植物カルスへと導入することでゲノム編集を実現した。これらの方法は植物体の種類を選ばないオルガネラ改変技術やゲノム編集技術として学術的・社会的意義が高い。
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