研究課題
若手研究
本研究は,光熱流体力学(フォトサーマルフルイディクス)における光熱バブル発生時に生じる熱対流の温度場を3次元的に可視化する計測手法の確立を行い,光熱効果による光濃縮メカニズムの解明を目的とする.温度によって蛍光強度が変化する蛍光ナノダイヤモンドを流体中に導入し,バブル周辺の流れ場の正確な温度分布イメージングを行う.これをマランゴニ効果として熱流体解析に取り入れ,バブル発生と流体制御の関係性に関する指導原理を与える.本研究は,食品や医療分野における微量物質検出技術への応用が期待されるフォトサーマルフルイディクスを確信的に進展させることが可能な挑戦的かつ独創的な研究課題である.
多点同時温度計測を可能にするワイドフィールドODMR顕微鏡を開発し,その特性を詳細に分析した.同じ蛍光ナノダイヤモンドについて共焦点検出とワイドフィールド検出で得られたODMRスペクトルを比較したところ、共焦点検出では広視野検出に比べてODMRが深くなることが分かった.ワイドフィールドODMR検出におけるピクセル飽和と位置ドリフトの影響を調べて,測定アーティファクトと感度低下を評価した.このシステムの特性評価から測定パラメーターを調整し,生きた細胞内の複数の蛍光ナノダイヤモンドによるODMR測定を行った.
本研究は,微小領域の高速・高精度な温度マッピングを可能にしようとするものである.共焦点検出とワイドフィールド検出はこれまで別々に扱われてきたが,1台の顕微鏡に組み込むことで初めて各々の特性を詳細に比較することができた.また,細胞内温度計測という観点においてはワイドフィールド検出の有用性を示すことができた.本研究成果は,カメラによる生きた細胞のリアルタイム大面積スピンベース測定の開発に役立つと期待される.
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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