研究課題/領域番号 |
19K15426
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
太田 亘俊 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60705036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マイクロバンドルプローブ / キャピラリー / 微量液体採取 / 細胞分泌物 / 局所刺激 / 細胞間コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、細胞分泌物による細胞間コミュニケーションの分析を実現するため、200μmの空間分解能で微量液体採取が任意の回数行える、マイクロバンドルプローブ(μBundle)の開発を目的としている。多数の毛細管の束から構成させるμBundleを培養組織等の試料に接近させμBundle中に分泌物を吸引する。毛細管の位置と吸引タイミングから、細胞分泌物の空間分布を経時的に取得し化学分析する。本研究では多数の神経回路で構成される中枢神経組織を対象として、高次神経機能と細胞分泌物の関係性をμBundleによる多点経時分析によって解析する。
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研究成果の概要 |
細胞分泌物の簡便な定点経時測定を目指し、本研究ではキャピラリーを密に集めることで複数の領域から任意の回数の微量液体採取が可能なマイクロ流体デバイスを開発した。このデバイスは、キャピラリー先端位置と液体の流出入口を制御することで、導入液体で刺激する細胞と採取を行う細胞近傍液体の範囲を決定できる。このデバイスを通じて、培養皿上の培養筋芽細胞に対してトリプシン水溶液を導入し、最小で0.004平方mmの局所的な細胞剥離ができることを確認した。また、デバイスによりリポ多糖刺激の有無を制御して隣接する2つの培養マクロファージ群に与え、それぞれの細胞群で分泌物量変化が有意に異なることを経時測定から示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞分泌物の採取は手作業で行われることも多く、一様に培養された細胞の中から特定の細胞の分泌物を狙って採取することは難しい。そのため通例、採取される細胞分泌物は培養容器中の全細胞に由来するものである。本研究のデバイスは、特定の細胞に由来する細胞分泌物を複数回にわたって採取することを可能とするため、細胞間で行われる細胞分泌物によるコミュニケーションの解析に使用できる。さらに、マイクロ流体制御を通じて特定の細胞に刺激を与えられるため、細胞パターニングなどの細胞組織工学や、例えば初期がん細胞の発生のような細胞組織の初期発生研究に応用できる。
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