研究課題/領域番号 |
19K15432
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松岡 悟志 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60826535)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機電界効果トランジスタ / キャリアイメージング / 絶縁膜界面 / 有機半導体 / トラップ密度 / 有機強誘電体 / 二硫化モリブデン / 絶縁膜 / ゲート変調イメージング / 有機薄膜トランジスタ / イメージング / ゲート絶縁膜 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、有機半導体内部の電荷キャリアをマイクロメートルスケールで可視化する独自技術(顕微ゲート変調イメージング)を用いて、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜界面に空間分布する電荷キャリアの2次元イメージング測定を行う。この光学的手法では、有機半導体-絶縁膜界面に蓄積するキャリアを検出するため、絶縁膜表面のキャリアトラップや半導体層の構造に由来したキャリア密度分布の測定を可能とする。絶縁膜材料の違いや表面改質による電荷キャリア分布の変化を解析・比較し、絶縁膜表面状態が薄膜トランジスタ特性に与える影響を明確にすることで、電気伝導特性の向上やデバイス構造の最適化を行う。
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研究成果の概要 |
有機電界効果トランジスタは、次世代電子デバイスへの応用が期待され研究開発が進められており、その性能は有機半導体層と絶縁層の界面状態に依存して変化することが知られる。本研究では、有機半導体-絶縁体界面に蓄積した電荷キャリアを光学的に検出し可視化する、独自技術であるゲート変調イメージング法を用いて、界面状態の測定を行う。単結晶性有機半導体層と様々な誘電ポリマーによる絶縁層を用いて作製した有機トランジスタ素子を測定し、絶縁膜表面の化学官能基に影響された電荷キャリアの運動性に由来する光信号強度の異常な増幅を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で用いたゲート変調イメージング法では、有機電界効果トランジスタのスイッチング性能を決める要因の一つである絶縁膜表面に蓄積した電荷キャリアを、最先端のカメラを用いて光学的に測定する。従来の電気的評価に比べて、性能律速要因が素子内部でどのように分布するかを判別することが可能となる。今回、半導体層内のキャリア密度に比例しない異常な光学応答を初めて観測し、有機光物性分野における新しい電気光学現象を見出すとともに、絶縁層に用いた誘電ポリマー材料が半導体層内に蓄積したキャリアの運動性に大きく影響することを明らかにした。
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