研究課題/領域番号 |
19K15436
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
臼井 秀知 島根大学, 学術研究院理工学系, 助教 (10722902)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 熱電効果 / 第一原理計算 |
研究開始時の研究の概要 |
温度差による発電である熱電発電は、温度差が存在するあらゆる場所で使用できる特徴を持つが、現状で発電効率は十分でなく、さらなる高効率化が求められている。本研究ではさらなる高効率を達成するために、物質固有の情報の一つである電子のトポロジーに着目する。電子のトポ ロジーが通常と異なる場合、固体中で電子が動きやすくなり、大きな電気伝導が期待できる。現在の高性能物質は固体中の電子が動きづらい特徴があり、これをトポロジーを活用することにより解消し高性能化達成を狙う。計算機による解析を行うことで、特殊なトポロジーを持つ熱電物質を設計する指針を得て、具体的な高性能熱電物質の提案を行う。
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研究成果の概要 |
熱電効果は熱から電気、または電気から熱への変換現象を指す。その特徴から排熱を利用した発電が可能であり、エネルギー問題の解決に寄与できることから注目を集めている。本研究では、三角格子構造を持つ化合物がトポロジーを由来とした大きな移動度を持ちうることに着目し、様々な三角格子構造の化合物について第一原理計算による熱電効果の理論研究を行った。主な結果は以下の2点となる。(1)1-2-2系ジントル相化合物25種類に対して解析を行った結果、高性能化条件の提案と新規物質の提案を行うことができた。(2)pn共存型と呼ばれる特殊な材料を含む、様々な熱電物質に対して大きな性能を持つ起源を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱電物質は半導体の一部の元素を置換する、いわゆるキャリアドープを行うことで、初めてその性能を実験的に測定することが可能となる。このような元素置換を行うことは実験的にコストが大きいため、理論的に新規物質を提案することには大きな意義がある。本研究では新しい熱電物質設計指針の提案と、新規物質の提案を行うことができた。本研究成果により、実際に新規高性能熱電物質の合成報告が期待される。また、新しい設計指針として提案した新規パラメータは、今回計算した物質以外でも一般的に利用できるものである。このパラメータの導入により、理論による新規物質探索の発展が期待される。
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