研究課題/領域番号 |
19K15438
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西川 浩矢 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 特別研究員 (50835519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 強誘電性ネマチック / フェロネマチック / 巨大分極 / トポロジー / フォトコンデンサ / キャパシタ / 極性らせん構造 / アゾベンゼン / 光変調 / 極性ネマチック / 強誘電 / 分極反転 / 誘電率 / 光変調素子 / ネマチック / 自発分極 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、申請者が開発した極性ネマチックは史上初の強誘電流体である。通常、液体は自発分極を保持できないため強誘電性を示さない。このパラドックスを液晶の観点から実験的アプローチにより明確化することで、強誘電リキッドマターの創成とその特性を活かしたユニークな機能性の探求・応用を目指す。具体的には、1)偏光顕微鏡、非線形光学による直接観察から流動と誘起トポロジー/誘起分極の相関の理解、2) 極性ネマチックのせん断に伴う時間平均化した誘電率評価による分極量評価。3) (1)、(2)で得られた知見をもとにした強誘電発現メカニズムの解明。さらに、強誘電リキッドマターの探究ならびにそれを用いた素子開発を目指す。
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研究成果の概要 |
強誘電性ネマチック(NF)材料がもつ特徴(流動性・トポロジー・分極)に着目し、極性らせん構造の創製や、巨大分極特性を利用した素子(フォトコンデンサ)の創製に成功した。極性らせん構造は、局所的なネマチックディレクターの対称性が破れた極性トポロジー構造を有することや、電場印加によって半ピッチ・全ピッチ構造を高速にスイッチできることを実証した。一方で、NF材料と光応答剤を組み合わせたフォトコンデンサにおいて、青色光と緑色光を交互照射することでN相とNF相をスイッチし、その結果、遠隔かつ高速(< 30 s)に誘電率を200から18000まで大変調(100回以上繰り返し可能)できることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨大分極特性(誘電率、自発分極)に加え高い流動性をもつユニークな性質を伴う強誘電性ネマチック(NF)材料は国内外で多くの関心を集めている。本研究では、NF材料において、流動性・トポロジー・分極の相互関係と強誘電発現起源の相関理解に取り組み、極性トポロジーが織り成す新規構造(極性らせん構造)の創製・機能評価や、巨大分極特性を利用した革新的機能性マテリアル(フォトコンデンサ)の創製に成功した。本成果により、NF材料は既存材料の常識を覆すポテンシャルをもつことを実証した。強誘電発現起源のさらなる深化により、NF材料の自在設計が可能となり、学術分野ならびに産業分野全体に波及効果をもたらすと確信する。
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