研究課題/領域番号 |
19K15441
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大久 哲 山形大学, 有機材料システム研究推進本部, 客員准教授 (90646407)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 有機EL素子 / 中性子散乱 / オペランド計測 / ガラス転移 / 有機積層膜の熱安定性 / ガラス転移温度 / 二次イオン質量分析 / 中性子反射率法 / 薄膜積層構造の電気化学安定性評価 / 有機ELデバイス / 中性子反射率 / その場測定 / 積層膜構造変化 / 劣化解析 / 中性子反射率測定 |
研究開始時の研究の概要 |
スマホの利用数が急増する中、人とデバイスをつなぐスマホディスプレイのうち、最も省エネルギーな有機ELデバイスのさらなる性能向上は重要課題である。現在の最重要課題は特に耐久性が低い高効率青色発光デバイスの耐久性の向上である。本研究では、実際に駆動している最中に、どのように有機ELデバイスの内部構造が変化するかを評価する技術を初めて開発し、内部構造変化がどのように性能に影響を与えるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
有機EL素子を駆動した時に発生した熱が有機積層膜の界面構造にどのような変化を与えるかリアルタイムで評価するため、駆動中の素子に中性子を照射して反射率の測定、同時に電圧、輝度変化の測定を行った。測定した系では界面構造に大きな変化は見られなかった。測定した素子系の駆動寿命が短かったため、長寿命の素子系で測定する必要があると結論した。どのような有機積層膜の組み合わせならば界面構造に変化が現れるのか、その傾向を簡易的に評価するために、複数の組み合わせの有機積層膜に熱を加え、積層膜の二次イオン質量分析を行った。薄膜のガラス転移温度以上では界面構造の乱れが見られたがその程度は有機膜の組み合わせに依存した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、有機EL素子中の薄膜の熱安定性は材料のガラス転移温度のみで議論される事がほとんどであったが、積層膜の場合はガラス転移温度だけでなく、隣接する二層膜の有機材料の組み合わせにより積層膜の熱安定性が変化する事を示唆できた。これは種々の有機積層膜を扱う有機電子デバイスの安定性を改善するためには重大な知見であると言える。
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