研究課題/領域番号 |
19K15446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 亮太郎 九州大学, 工学研究院, 准教授 (40735362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 環境制御型透過電子顕微鏡 / その場観察 / ダイナミクス / 電解蒸発 / 電界放射 / 電界蒸発 |
研究開始時の研究の概要 |
電界、電子線、熱の外部刺激を印加した際に起こる、気体分子と金属・酸化物表面原子との化学反応に伴う高速ダイナミクスを実空間・実時間で観測することを目指す。観測には、気体雰囲気下において原子レベルで動的観察ができる環境制御・透過電子顕微鏡(E-TEM)を利用し、高速カメラを用いて化学反応中の個々の原子分子の高速現象を捉える。ナノレベルの局所領域に電界を印加し、電界誘起による表面原子の高速ダイナミクス現象を捉え、照射電子線を制御することで、電子線誘起による気体分子と表面原子の高速反応を解明する。大気圧の気体雰囲気下での表面構造解析ならびに表面原子構造の温度変化を調べ、気体反応の学理を構築する。
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研究成果の概要 |
気体雰囲気下において原子レベルで動的観察ができる環境制御・透過電子顕微鏡(E-TEM)を用いることで、酸素ガス雰囲気中で動作している金ナノギャップ電極表面の構造が原子スケールで連続的に変化する現象を初めて可視化した。酸素ガス中における金電極表面の異方的な構造変化を初めて明らかにし、この現象が高速に移動するトンネル電子とガス分子との反応によって引き起こされることを解明した。さらに、ナノギャップ間を金原子が移動する様子をその場で可視化することに成功し、その連続的に変化する構造が金の酸化物であることを解明した。これにより、「トンネル電子付着ガスプロセス」という新たな反応メカニズムを提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、実環境中で動作中の金属ナノギャップ電極表面の連続的な原子変化を直接可視化した初めての報告であり、トンネル電子とガス分子との反応メカニズムである「トンネル電子付着ガスプロセス」という新たな反応メカニズムが解明された。このトンネル電子付着ガスプロセスが、ナノ触媒や量子ナノドットといった新たなナノ材料の設計・開発につながると期待される。
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