研究課題/領域番号 |
19K15450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
足立 寛太 岩手大学, 理工学部, 助教 (50823879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 窒化ガリウム / 圧電分極緩和 / ホッピング伝導 / 内部摩擦 / 圧電緩和 / 超音波共鳴法 / 共振周波数緩和 / 非デバイ型緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,超音波共鳴法を用いて高抵抗GaNの共振周波数緩和の振動モードおよび圧電特性依存性を明らかにすることにより,高抵抗GaNの非デバイ型共振周波数緩和の発現機構の解明,およびそれに対する新たな緩和モデルの構築に取り組む.そして,構築したモデルを用いて,高抵抗GaNのホッピング伝導メカニズムを解明することにより,デバイスへの応用上重要な電気伝導特性や弾性波の伝播特性を正確に評価することを目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では、高抵抗GaNに対して共振周波数と内部摩擦の温度依存性を計測し、測定結果を振動モードの観点から系統的に調べることにより、高抵抗GaNが示す特異な圧電分極緩和現象の発現機構の解明に取り組んだ。その結果、高抵抗GaNにおける圧電分極緩和現象では複数の内部摩擦ピークが発生し、それらの大きさとピーク温度は圧電分極分布に強く依存することを明らかにした.また、圧電分極緩和に起因する共振周波数の低下は各内部摩擦ピークに応じて段階的に発生することを明らかにした。これらの成果より、高抵抗GaNにおけるキャリアのホッピング伝導の異方性が特異な圧電分極緩和現象の主要因であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、高抵抗GaNを用いた高周波・高出力・高耐熱の電子デバイスの開発が精力的に行われており、高抵抗GaNの圧電分極緩和現象はこれらのデバイスの高温域での特性に顕著な影響を及ぼす。そのため、本研究の成果は、GaN型トランジスタ内に生じるリーク電流経路の制御や、高温環境下でも性能が低下しない高耐熱GaN型弾性波フィルタの開発などにつながることが期待される。また、圧電分極緩和現象はキャリアのホッピング伝導の特性を反映するため、本研究の成果は高抵抗GaNの電気伝導特性および弾性波の伝播特性の解明にも貢献することが期待される。
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