研究課題/領域番号 |
19K15453
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
嶋 紘平 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (40805173)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 酸化亜鉛 / 分布ブラッグ反射鏡 / 微小共振器 / ヘリコン波励起プラズマ / 励起子ポラリトン / ポラリトンレーザ― / ZnO / microcavity / polariton laser / DBR / cavity polariton / sputtering / nickle oxide / reactive ion etching / ポラリトンレーザ |
研究開始時の研究の概要 |
誘電体分布ブラッグ反射鏡(DBR)型のZnO微小共振器に電流狭窄構造を組み込み、電流注入により室温でコヒーレント光を発する紫外ポラリトンレーザを作製する。励起子束縛エネルギーが59 meVと、半導体の中でも最大級であるZnOを用いた紫外ポラリトンレーザは、(Al,Ga)N系の紫外半導体レーザとは異なる動作原理に基づく超低閾値コヒーレント光源として期待されている。しかし、ZnO微小共振器に適したワイドギャップ半導体DBRのp型電気伝導制御が困難であるため、未だ電流注入動作が報告されていない。本研究では、ZnO活性層の外周部から正孔を注入する電流狭窄構造を提案し、当該問題の解決を図る。
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研究成果の概要 |
超低閾値なコヒーレント光源として期待されるポラリトンレーザの発振を、室温かつ電流注入により実現することを目指した。本研究の成果は(1)室温で共振器ポラリトンが存在可能なチップサイズ酸化亜鉛(ZnO)微小共振器の実現および(2)電流注入型ポラリトンレーザ構造の試作とダイオードの整流特性の確認である。なかでも共振器ポラリトンが励起直径80 umという比較的広い領域において観測されたこと、さらに微小共振器の面内(10x5 mm2)の至る場所で観測されたことは世界初の成果である。電流注入によるポラリトンレーザ発振までは至らなかったが、それを達成するための道筋を立てた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は(1)室温で共振器ポラリトンが存在可能なチップサイズ酸化亜鉛(ZnO)微小共振器の実現および(2)電流注入型ポラリトンレーザ構造の試作と整流特性の確認である。今後ポラリトンレーザ発振まで実現できれば「ポラリトンレーザは既存の半導体レーザと比較して省電力化に寄与するか」という学術的問いに答えられる。本デバイスはワイドギャップ半導体であるZnOの特徴を活かした近紫外線領域の省電力発光素子に応用できると考えられる。演色性に優れた自然な白色照明、高密度光情報記録素子、次世代量子情報通信素子への応用等、電子・環境・情報通信分野に貢献できる可能性があり、産業上のインパクトは計り知れない。
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