研究課題/領域番号 |
19K15454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2020) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
Le ThuHacHuong 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 産総研特別研究員 (60752144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | キラルメタマテリアル / 螺旋ナノ構造 / 光のキラリティーの制御 / キラル光メタマテリアル / 螺旋状ナノ構造体 / 光のキラリティの制御 / キラル分子検出 / 光のキラリティ / 立体ナノ構造加工法 / 残留応力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,可視から近中赤外の域帯で動作できるキラル光メタマテリアルの実現に向けて,構造体の寸法と配列・配向等が精密かつ自在に制御できる螺旋状構造体の作製法を開発し,得られる構造による光キラリティの制御とその応用としてキラル分子の検出の実証に挑む.特に,直径の数百nm~数μmまでの螺旋状構造の形成かつ光学特性制御という観点からどれだけ寸法の制御,均一な構造が制御できるかの極限を追求する.得られる構造の光学特性及び構造とキラル分子との相互作用を解明することを通して,新たなキラル分子検出法を開発する.本研究の成果はイメージングやセキュリティ,光通信,光情報処理技術への応用にも期待できる.
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研究成果の概要 |
本研究では,新たな光技術の開拓が期待されているキラルメタマテリアルに着目し,微細金属螺旋構造の作製法を開発し,光帯域で動作する螺旋状のキラルメタマテリアルの実現を目的とした.具体的には,金属薄膜の残留応力を活用することで,比較的に高速かつ自由自在に制御できる2次元構造を自己組織化的に螺旋構造に形成させる独特な作製方法を開発した.結果として直径数百nm程度の螺旋構造体の作製に成功し,近中赤外光帯域における構造由来のプラズモン共鳴が確認され,光のキラリティーの極限制御も実証された.また,本手法は従来のトップダウン型微細加工技術のみ利用したため,大面積に亘り高速かつ低コストでの加工が可能となった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した手法は従来のトップダウン型ナノ加工技術で作製された平面構造を立体的螺旋状構造体に自己変形させる,自己形成的なプロセスでありながらも,メタマテリアルの動作波長を決める螺旋構造の寸法(直径やピッチ,螺旋ステップ数等)と光のキラリティー制御性能を決める螺旋構造の周期・配列・配向を精密に制御できる全く新しい立体構造加工技術である.特に光帯域で作動する螺旋構造及び巨大なキラルリティーを持つ近接場の実現は,新たな分光分析法技術や新妙な光学素子・光情報プロセシング技術の開拓に繋げると期待できる.また大面積に亘り高速かつ低コストでの加工できる点においても産業展開に大きな意義をなす.
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