研究課題/領域番号 |
19K15455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
浦上 法之 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (80758946)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | グラファイト状窒化炭素 / 層状物質 / フォトルミネッセンス / 化学気相堆積 / 異種元素添加 / ホウ素 / 半導体 / 光電子材料 / 低環境負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
化学気相堆積(CVD)によるB添加g-C3N4の組成を自在に制御できるよう、g-C3N4結晶中へのB原子の取り込み機構を解明し制御する。g-C3N4におけるC-Nネットワークの内外のBがCまたはNのどちらと優先的に結合を形成するかを解明する。更にはB添加g-C3N4が光半導体材料として利用可能であることをデバイス試作により実証する。 また有機金属原料を用いたSi添加g-C3N4の作製に向けてCVD装置を改良する。Si添加を実現し更には組成単位で添加量を増加するために、B添加と同様にその取り込み様式を制御する。光学評価により、Si添加によりg-C3N4のナローギャップ化が実現することを実証する。
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研究成果の概要 |
従来は粉末状で光触媒として利用されているグラファイト状窒化炭素(g-C3N4)は、半導体性質を有するもののそれ以外の知見は殆どない。本研究では、異種元素添加によるバンドギャップエネルギーの制御を目指した。g-C3N4のフォトルミネッセンス測定から、そのピークエネルギーが無添加の2.8eVからB添加時で最大3.6eVまでの変調させることができた。また有機金属を用いたSi添加に向けたg-C3N4膜のH2雰囲気中の成長において、N2雰囲気中で作製したそれと比較して、新たな光吸収ピークが観測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、g-C3N4へのB添加によりバンドギャップエネルギーが連続的に制御可能であることを初めて示した。これにより、ありふれた元素のみで構成されるg-C3N4により様々な波長で発光する半導体材料が実現できれば、原料コストや毒性などを気にせず利用可能な材料が創生できることを期待し得る。また他の異種元素の添加による物性制御にも役立つ可能性が高い。さらに光触媒応用に対しても、水素発生の効率向上に向けたエネルギー準位制御にの参考になると考えられ、本成果が波及すると考えらえる。
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