研究課題/領域番号 |
19K15457
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
富樫 理恵 上智大学, 理工学部, 助教 (50444112)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 酸化ガリウム / 熱力学解析 / 気相成長 / エピタキシャル成長 / 酸化ガリウム半導体結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化ガリウム(Ga2O3)結晶は、次世代高耐圧・低損失パワーデバイス材料として有望である。今回、高純度金属ガリウムと水ガスの反応、及びGa2O3原料と水素ガスの反応で一酸化ガリウム(Ga2O)分子を選択的に生成する新規原料分子種生成制御法を行う。生成したGa2Oガスと追加供給する水もしくは酸素ガスとの反応により、Ga2O3成長を実施する。本手法は、原料分子種に塩化物を用いないため、安全かつ簡便であり、膜中への塩素の取り込みが問題とならない。さらに、大気圧下で高温・高速成長可能であり、高純度厚膜結晶が得られる可能性が高い。最終的に、高純度Ga2O3成長を実現し、デバイス応用につなげる。
|
研究成果の概要 |
Ga2OガスとH2Oガスを原料として用いたβ-Ga2O3成長の熱力学解析を実施し、大気圧下1000度以上にて、高温・高速成長可能であることを明らかにした。特に、β-Ga2O3生成の駆動力は系内水素比の値に大きく依存し、水素比を減少させることで高温成長が可能であることがわかった。さらに、高純度Ga金属とH2Oの反応によりGa2Oガスを選択的に生成する原料部、生成したGa2Oガスと別途導入するH2Oガスの反応によりβ-Ga2O3成長を行う成長部から構成される新規成長装置を構築し、大気圧下1000度以上の成長温度にてc面サファイア基板上で(-201)面で配向した鏡面のβ-Ga2O3結晶を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱力学解析結果に基づき、高純度Ga金属とH2Oの反応によりGa2Oを選択的に生成し、生成したGa2Oと別途導入するH2Oの反応によりGa2O3成長を行う新規成長装置を世界に先駆けて構築した。特に、Ga2O3生成の駆動力は系内水素比に大きく依存し、水素比を減少させることで高温成長が可能であることを理論解析と実験の両方より明らかにした。さらに、大気圧下1000度以上でc面サファイア基板上に(-201)面で配向した鏡面のβ-Ga2O3成長層を得ることに成功した。 実験と理論解析の協調により、成長装置の構築、結晶の創出、評価まで実施可能な本研究は独創的であり、学術的かつ社会的意義は大きいと評価できる。
|