研究課題/領域番号 |
19K15459
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村岡 道弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (10785554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ガスハイドレート / キネティックインヒビター / 一方向凝固法 / 阻害剤 / 核形成 / 一方向凝固 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、天然ガス輸送効率化を目指し、結晶成長学的視点から動的ハイドレート生成阻害剤(KHI)の効果を評価することを目的としている。 天然ガスの輸送配管内でのハイドレート生成に起因する事故防止のためには、生成を阻害する作用をもつKHIを添加することが有効な対策である。しかし、従来の方法ではその評価に長時間実験を必要とし、阻害効果指標には統一されたものがなかった。これらの問題解決のため、申請者は、KHIについて簡易な性能評価手法を提案する。本研究では、この評価手法により、効果指標の世界標準化を実現する。また、未解明であるKHIの作用機構を解明することで、新規KHI開発の飛躍的加速を達成する。
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研究成果の概要 |
本研究では、一方向凝固法を用いて各種動的ハイドレート生成阻害剤(Kinetic Hydrate Inhibitor, KHI)の性能を評価し、阻害効果ランキングを作成した。また、阻害効果の成長速度依存性を調べることにより、各種のKHIは特有の臨界成長速度を持つことを示した。さらに、実験しやすいモデル系において、あるKHIの臨海成長速度が0.005μm/s以下のとき、そのKHIはガスハイドレートの成長も強く阻害できることが明らかになった。これは、天然ガス生産現場等でガスハイドレート生成によるプラギング防止のための、有望なKHIのスクリーニングの効率化に資する結果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、各種の動的ハイドレート生成阻害剤(KHI)は特有の臨界成長速度を持つことを示した。これにより、未解明の問題であったKHIの作用機構について、かなり詳細な部分まで解明が進んだと考えている。この成果によって、KHIのガスハイドレートへの阻害効果を推定する方法が徐々に確立しつつある。KHIは天然ガス生産現場等でガスハイドレート生成によるプラギング防止のために用いられており、さらにガスハイドレートはガスの輸送、エネルギーの貯蔵、冷媒への活用が研究されている。KHIはこれらの応用における結晶制御法としても用いることができるため、グリーンイノベーションに資する波及効果が期待される。
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