研究課題/領域番号 |
19K15464
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
加藤 峰士 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 特任助教 (20795926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光周波数コム / 3次元計測 / 光演算 / 干渉計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従来技術では不可能であった超高ダイナミックレンジを有する瞬時3次元計測法の確立を目指す。例えるならば、100 mの範囲内にある物体形状を1/1000 mmの精度で計測可能で、1兆分の1秒以下の計測時間を達成する計測手法である。 本研究で特徴的な点は、日本の長さの標準を与える光周波数コムを形状計測に応用する点であり、特にパルス間隔が比較的短い高繰り返し光周波数コムを形状計測に応用する方法は世界的に見ても前例がない試みである。 これにより、非定常な破壊現象や、超高速に変化する物性を捉えることも可能となり、理学と工学において新しい情報をもたらすことが出来る。
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研究成果の概要 |
チャープした高繰り返しYbファイバレーザーを用いることで、連続かつ長大な計測可能範囲を有する高ダイナミックレンジ瞬時3次元計測を実現した。本研究では繰り返し周波数750 MHzのYb光コムを光源とすることで、パルス間隔40 cmのパルス列を発生させた。これに回折格子対を用いた高分散光学系による高チャープを与えることでパルスの長さを40 cmまで拡大させる事ができ、デットゾーンフリーを達成した。その結果、原理的な測定範囲が無限大、奥行分解能31 µmの超広ダイナミックレンジ計測を実現し、40 cm離れた3枚ミラーの面形状の瞬時計測に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高繰り返し光コム光源を形状計測へ応用する世界で初めての試みである。高い繰り返し周波数を利用した連続かつ長大な計測可能範囲を有する瞬時3次元計測手法を確立する。これは、単なる光源の置き換えではなく、“高繰り返し”の性質を積極的に利用したものであり、高繰り返し光コムの光源としての価値を新たに見出す研究と言える。 また、実質的に計測範囲が無限大といえる超広ダイナミックレンジ計測は、任意の物体が任意の位置に不意に出現したとしても必ず計測することが出来る。特に超短パルスを用いることで実質的な露光時間もフェムト秒となり、超高速現象も測定可能な時空間的な広ダイナミックレンジ計測も達成できる。
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