研究課題/領域番号 |
19K15467
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田中 大輔 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (20643729)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | ナノレーザ / 局在プラズモン共鳴 / 光渦 / 離散双極子近似計算 / ナノ光源 / 離散双極子近似法 / サブシェル構造 / ベクトルビーム / プラズモン |
研究開始時の研究の概要 |
初年度はベクトルビームを光源としたddscatの拡張を行う。次年度は拡張ddscatを用い、ベクトルビーム励起型ナノドットレーザの構造を決定していく。構造はサブシェル構造、コアには量子ドットを採用し、構造パラメータ、材料種、放射パターンの関係を明らかにし、「低閾値」や「強い指向性」の条件をクリアするナノレーザーが実現できるのかを明らかにする。 最終年度に実際に設計したナノレーザの作成を外部に依頼し、その光学特性を評価する。特に共鳴励起モード、ベクトルビームの次数と放射パターンの関係にフォーカスする。これからの成果を取りまとめ、その都度、外部に発表する。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、非対称なサブシェル構造にベクトルビームの一種である光渦を入射することで、多重極子型プラズモン共鳴を効率的に励起し、さらにサブシェル粒子の非対称性による指向性をもった発光特性を有するナノ光源が実現できるか、離散双極子近似シミュレーションによって検討した。 その結果、(1)光渦の偏光と渦価の和である全角運動量から多重極子モードの次数を選択できること、(2)四重極子共鳴の励起効率がスカラービーム励起と比べて約10倍に向上すること、(3)構造の非対称性に由来した発光特性を持ったナノ光源を設計が可能であること、が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レーザは、通信、加工、記録、計測、検出など、世の中で広く利用されているが、回折限界のためにμmオーダー以上のサイズを有することが一般的である。ナノレーザ光源が実現すれば、量子回路やナノプロセッサといったナノ回路内での超高速動作や極狭領域での高感度センシング、などが実現可能となる。本研究で明らかにした、「光渦による高効率な多重極子型プラズモン共鳴の励起」はドット型ナノレーザの要素技術となるだけでなく、所望する共鳴次数を励起源によって選択制御できる技術であり、学術的意義は小さくない。応用例であるナノレーザはSDGsの3、9、12を実現するためのセンサ開発などに有用であり、社会的意義は大きい。
|