研究課題/領域番号 |
19K15468
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉峯 功 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 特別研究員 (70808964)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 非線形光学効果 / 光整流 / DAST / フェムト秒光パルス / 高強度テラヘルツ波 / テラヘルツ / 波形整形 / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
高強度のテラヘルツ光は、磁性体中のスピンや分子間結合などの物性の励起や制御への応用が研究されており、その時間波形を制御することでさらに高効率な制御が期待できる。本研究では、超短光パルスの波形制御とテラヘルツ光発生効率の高い有機非線形光学結晶を用い、既存手法では実現が困難だった高強度かつ周波数や偏光の制御が可能なテラヘルツ光の発生手法の開発を行う。また、波形制御された高強度テラヘルツ光の物性制御への応用の可能性を示す。
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研究実績の概要 |
本年度は、有機非線形結晶DASTに光パルスを照射し高強度テラヘルツパルスを発生させた際に起こる非線形光学効果について検討を行った。実際にDAST結晶に高強度光パルスを照射して透過ポンプ光や発生テラヘルツ波の強度を測定した実験結果との対応から、結晶内では2光子吸収と3光子吸収がいずれの影響も無視できない程度に同時発生していること、またポンプ光のビームプロファイルが非線形光学効果の発生量に無視できない影響を及ぼすことが明らかになった。これらの知見を元に新たに構築した計算モデルにおいても、2枚の結晶を組み合わせることで任意の偏光・周波数を持つテラヘルツ波パルスが発生可能なことをシミュレーションにより示した。また、DAST結晶で発生する非線形光学効果についてこれまで得られた知見について、論文化を進めた。 研究期間全体としては、有機非線形結晶DASTを用いた高強度かつ周波数・偏光制御可能なテラヘルツ波発生に向けて、2枚の有機非線形結晶を組み合わせることにより結晶の強い異方性によるテラヘルツ電場方向制約を克服できると考え、まず計算をもとにこの方法により任意の偏光を持つテラヘルツ波パルスを発生可能なことを示した。そのために、これまで明らかでなかった結晶内で発生する非線形光学効果の寄与を高強度光パルスとDAST結晶を用いた高強度テラヘルツ波発生の実験結果と複数の非線形光学効果を仮定した物理モデルによる計算から定量的に解析した。これを光学軸が互いに直交するよう重ねた2結晶の場合に拡張し、実際に発生テラヘルツ波パルス波形のシミュレーションを行った。 さらに、示されたテラヘルツ波発生の実現に向け、励起光パルスの波形を制御するための光学系の設計・構築として、光パルスの強度波形にテラヘルツオーダーの周期的な変調をかけ、その変調周波数の制御が可能な系を構築し制御性の確認を行った。
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