研究課題/領域番号 |
19K15475
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
叶野 翔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (00742199)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 照射損傷 / 放射線誘起表面活性 / 放射線表面活性 / 濡れ性 / 放射線誘起表面活性効果 |
研究開始時の研究の概要 |
材料の濡れ性は固相と液相との物理的、化学的界面反応であり、原子炉においては熱変換効率等の伝熱特性の制御因子として、重点研究テーマに位置づけられている。本研究では、高温、高圧、高照射環境下における濡れ性の予測とその高度利用によって、材料の伝熱特性を改善すること目的としており、液相側での粘弾性変化やラジオリシス、固相側における表面構造や表面活性効果の濡れ性への影響度について系統的調査を実施する。
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研究成果の概要 |
材料の濡れ性は、固体/液体界面での物理的、化学的相互作用であり、原子炉においては熱変換効率等の伝熱特性の制御因子として、重点研究テーマに位置づけられる。本研究では、放射線誘発表面活性(RISA)効果を活用した原子力材料の濡れ性の向上を研究目的とし、高温、高圧、および高照射線量環境下での材料の濡れ性予測を試みる。本研究取組を通し、材料の濡れ性はUV、γ照射によって改善し、この挙動は、試料表面への疎水基/親水基の吸着によって支配される。また、重イオンビーム照射では材料の物理的/化学的特性の変化することを明らかにした。これらの知見は、RISA効果に基づく機能性材料開発のガイドラインに資する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RISA効果による材料表面改質は炉内環境中での材料の防食特性の向上にの有効手段である。本研究では、照射による酸化被膜自身の材料物性変化を明らかにした。ここで得られた知見は、材料防食制御の一助となる科学的エビデンスであるが、同時に、RISA効果による効果的な防食特性の制御に向けて照射下での更なる材料応答の理解が必要であることを示唆している。今後は、動的な濡れ性と微細組織特徴との相関等に関する評価を展開し、材料学的な腐食特性の評価に留まらず、電熱特性やCHF等のプラント工学の発展に向けた研究開発につなげる計画としている。
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