研究課題/領域番号 |
19K15485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021) 北海道大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
阪田 義隆 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10754236)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 地中熱 / 地下水 / 地中温度 / 井戸揚水 / 気候変動 / ヒートポンプ / 回帰モデリング / 数値シミュレーション / 地球温暖化 / 地表面熱収支 / 透水係数 / シミュレーション / 地下熱収支 / 都市地下環境 / データベース / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,自然・人口地下水流れがある都市の地下環境下での地中熱ポテンシャルをデータベース化するとともに任意条件に適用可能な汎用化を目指す。まず全国主要62流域の地下水流速・地中温度場を流域の透水係数分布と揚水井戸や都市の地中温度を境界条件として数値再現する。次に地点毎に必要温度条件と目標性能条件の双方を満足する地中熱利用に必要な熱交換器規模,CO2排出量削減量などの地中熱利用効果を算定する。計算を建物,設備,用途など様々な条件で繰り返しクラウド上でデータベース化した後,膨大な計算結果を教師データとし基本属性との回帰モデルを機械学習により導出することで任意条件に対応可能なデータベースとする。
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研究成果の概要 |
本研究では,札幌扇状地をモデル化し1921~2020年の100年間に至る地下水温度分布の計算した結果,河川からの地下水涵養による冷水塊が市街地の井戸揚水によって下流へ誘導されることを示すことで,自然的要因と人為的要因が気候変動の影響を受けながら複合して地下温度場を形成する実態を明らかにした。 また全国62流域の地下水流動シミュレーションに基づく地盤情報データベース化から,全国500mグリッドでの必要地中熱交換器長さとして,地下水が豊富なわが国の地中熱利用ポテンシャルを明らかにした。 更にガウス過程回帰モデリングを適用することで任意の位置の必要長さを簡易推定する汎用化手法の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国には豊富な地下水資源があり,特に地形勾配の大きい地域も多い。また都市部では井戸揚水が積極的に行われ,それに伴う地下水流れも活発である。こうした自然的・人為的地下水流れの双方が複合するとともに気候変動の長期的な影響を合わさり,都市部の地下温度分布が形成されることを示すことができた点に学術的価値がある。 また豊富な地下水流れに着目することで地中熱システムのコストの主要因である地中熱交換器長さをデータベース化するとともに,回帰モデルによる簡易評価手法を開発した。これにより従来よりリーズナブルな地中熱設計が可能となり今後,再生可能エネルギーである地中熱利用の更なる普及に繋がることが期待される。
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