研究課題/領域番号 |
19K15493
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
才ノ木 敦士 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70802049)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 地下資源 / 誘発地震 / き裂性岩盤 / 地殻応力 / 拡張有限要素法 / 等価連続体モデル / 流体注入 / 断層ダメージ領域 / 岩盤不連続面 / 断層破砕帯 / き裂ネットワーク / b値 / 原位置応力 / 地熱開発 / 微小地震 / 地震エネルギー / すべり軟化距離 / 数値解析 / 時間依存性挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化対策の観点から、地熱エネルギーを利用した地熱発電が注目されている。しかしながら、岩盤不連続面の水理特性に対する不十分な理解などが原因で、貯留層管理に問題が生じている。このような現状を踏まえ、本研究では岩盤不連続面の力学的挙動・水理特性を十分に表現できる高精度断裂型貯留層モデル構築手法を確立する。そのために、岩盤不連続面の時間依存性挙動を明らかにし、水理特性の時間依存性変化に関する構成則を構築する。そして、地熱貯留層内の岩盤の時間依存性挙動を考慮した微小地震シミュレーションを実施し、微小地震観測データと比較することによって広域的な数値モデル補正を行い、高精度貯留層モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
断裂型地熱貯留層の高精度化に関係する3つの課題に対して研究を実施した。一つ目は、き裂性岩盤内の不均質な応力分布のシミュレーション手法開発である。本研究では、等価連続体モデルを用いて複雑なき裂ネットワークを有する岩盤内部の応力不均質性をメートルスケールで考慮する手法を考案し、その妥当性を検証した。また、流体注入によって生じる岩盤不連続面の力学的挙動を高精度をシミュレーションする手法を拡張有限要素法をベースに開発した。最後に、岩盤不連続面表面に存在する微小な凹凸内部の応力状態をCT撮影および画像解析から調査し、局所的な応力集中が発生していることを実験的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
き裂性岩盤内部の応力分布は極めて複雑であり、局所的な応力集中領域が点在していることが明らかとなった。この局所的な応力集中は、地熱貯留層や地下鉱山で生じる誘発地震と密接に関係している可能性が高く、誘発地震の高精度予測手法を開発する上で極めて重要になると考えられる。また、今回開発した拡張有限要素法をベースとした誘発地震シミュレーションコードにおいても、今後、水圧破砕や超臨界地熱発電など様々な分野への応用が期待される。最後に、不連続面表面アスペリティの微視的な応力状態は、不連続面の非線形挙動や時間依存性の水理特性変化を明らかにするための鍵になると考えられる。
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