研究課題/領域番号 |
19K15499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高野 慎二郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40783957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 配位子保護金超原子 / 配位子保護金クラスター / 配位子保護合金クラスター / 金超原子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は最近、配位子によって保護された金クラスターに対して結合したヒドリド(H-)が幾何・電子的にあたかも金原子のように振る舞うことを見出し、”ヒドリドドープ”という新概念を提案した。本研究課題では、この新概念の一般性を検証するとともに、ヒドリドドーピングによる金クラスターの電子的活性化を生かした新しいクラスター転換反応を開拓することを目的とする。本研究を通して、ヒドリドをドーパントとする新しい合金クラスターを創出し、さらにその化学特性を生かした新規クラスター化合物のボトムアップ合成法を開発することで、ナノ化学の進展に貢献する。
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研究成果の概要 |
数十個程度までの金原子が集まってできた金クラスターは表面を配位子で適切に保護することで安定な化合物として単離できる。その原子数の違いがもたらすサイズ特異的な性質により、多彩な物性を発現するナノスケールの新たな機能性物質としての応用に注目が集まっている。 本研究課題ではその中でも新たな系として見出した水素原子を内包する金クラスター群の性質と反応性を詳細に調べた。結果としてこれまで偶然に頼っていたクラスター合成を変革する原子精度での戦略的合成を可能にし、その性質をより深く理解することを可能にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行により、これまで少数の研究者のみが合成可能であったいくつかの合金クラスターを再現性および収率・収量の面から凌駕する合成法を確立し、その基礎物性を明らかにできた。加えて、ほぼ偶然に頼らざるを得なかったクラスターの選択的合成も達成し、その興味深い特性も明らかにした。 これらの結果は、配位子保護金クラスターの基礎的な理解を深化する重要な結果であり、それを基にした光エネルギー変換や触媒研究等の応用研究へ重要な知見を与えると考えられる。
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