研究課題/領域番号 |
19K15502
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
石井 陽祐 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80752914)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 高圧力 / 酸化還元電位 / 電気化学 / 鉄錯体 / 圧力 |
研究開始時の研究の概要 |
深海の熱水噴出孔には、地球内部から放出される化学エネルギーを利用して生活する生物(化学合成生物)が多数生息している。このような光合成に依存しない特異な生態環境は、生命の起源や進化を探るためのカギとなるフィールドとして注目されている。 地球の熱水噴出孔の多くは200気圧を超えるの超高圧環境に存在する。このような高圧環境では、常圧と異なる生命のエネルギー獲得プロセスが存在するはずである。そこで本研究では「圧力というパラメータが、生物のエネルギー生産活動にどのような影響を及ぼすか」という問いについて、高圧電気化学実験という新たな実験手法を用いて解明をめざす。
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研究成果の概要 |
大気圧~400 MPaまでの静水圧下で3電極式の電気化学測定を行うための装置を開発し、フェロシアン化カリウム/フェリシアン化カリウム水溶液など、水中の鉄錯体を対象に圧力可変サイクリックボルタメトリ測定を実施した。サイクリックボルタメトリのピーク位置からFe(II)/Fe(III)の酸化還元平衡電位を調べたところ、圧力が高くなるほど酸化還元電位が高電位側にシフトすることを明らかにした。また、圧力シフトの程度は、錯体の分子構造に応じて変化することを明らかにした。酸化還元反応時の体積変化に必要な仕事量が圧力の影響を受けたことに起因すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
深海の化学合成生物は、生命の起源や進化を探るカギとなる存在である。このような生物は100気圧以上の超高圧環境に生息しており、その生命活動に与える圧力の影響は無視できない。鉄錯体はすべての生物の生命活動に必須の元素である。本研究では、そのような鉄錯体の酸化還元反応におよぼす圧力の影響を明らかにしたものである。本研究で得られた知見は、今後、極限環境生物の生命活動について、エネルギー的な側面からの理解を進めるために役立てられると考えている。
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