研究課題/領域番号 |
19K15504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東北大学 (2020) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
田原 進也 東北大学, 薬学研究科, 助教 (00783060)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 光受容タンパク質 / 超高速ダイナミクス / タンパク質構造変化 / ロドプシン / 紫外共鳴ラマン分光 / グロイオバクターロドプシン / ロドプシン再構成 / 微生物型ロドプシン / 再構成 / タンパク質ダイナミクス / 電荷分布変化 / 水素結合ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
ロドプシンはレチナール発色団を持つタンパク質である。発色団が光励起されると異性化が起こり、これがタンパク質部位の構造変化を誘起し、機能に繋がると考えられている。しかし近年、光励起による発色団の電荷分布変化によって発色団とタンパク質部位を繋ぐ水素結合ネットワークが変化することで、発色団異性化よりも前にタンパク質構造変化が誘起される可能性が指摘されている。本研究ではこの可能性を検証するため、光励起による電荷分布変化が小さい発色団を持つロドプシンおよび発色団とタンパク質部位を繋ぐ水素結合を切断した変異体のタンパク質構造変化をピコ秒紫外共鳴ラマン分光法により調べる。
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研究成果の概要 |
ロドプシンはレチナール発色団を持つ光受容タンパク質である。発色団の光異性化がタンパク質構造変化を駆動し、機能を発現すると考えられていたが、申請者は光異性化に先立ってタンパク質部位が構造変化することを近年示した。本研究は光異性化を起こさない修飾発色団をもつロドプシンを調製し、タンパク質構造変化を観測し、光異性化に先立つタンパク質構造変化の誘起機構を解明する。本研究で申請者は代表的な2種の微生物由来のロドプシンに修飾発色団を高い効率で導入することに成功した。これによりタンパク質構造変化の観測実験の準備が整った。測定はCOVID-19による大学の移動制限が解除され次第、大阪大学にて実施する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光受容タンパク質は光エネルギーを利用して機能するタンパク質である。光応答タンパク質は発色団を内包する。発色団が光を吸収すると、発色団の構造変化が起こり、これによってタンパク質構造変化が駆動されると従来より考えられてきた。しかし申請者は発色団より先にタンパク質構造変化が起こることを近年示した。本研究ではこの速いタンパク質構造変化を駆動する機構を調べる。本研究で申請者は構造変化しない発色団を持つ光応答タンパク質の合成に成功し、タンパク質構造変化の測定の準備が整った。測定から得られる知見は、新規の仕組みで動く分子機械の設計指針を与える。
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