研究課題/領域番号 |
19K15505
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大戸 達彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (90717761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 伝導計算 / 単一分子接合 / 密度汎関数法 / 非平衡グリーン関数法 / 分子動力学法 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの単一分子接合の研究では、実験では破断過程に沿って大量の電流-電圧曲線が得られるのに対し、理論計算では最安定構造の電流-電圧曲線のみを計算して比較することが一般的であった。本研究では反応力場と第一原理計算を用いて大量の電流-電圧曲線を取得し、機械学習の手法を活用して架橋構造を特定する手法を開発する。破断過程に沿って分子構造が変化するような分子に対してこの手法を適用することで、分子構造変化を引き起こすトリガーとなる構造変化を見出し、オン・オフ比と操作性の高い分子スイッチの開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
単一分子接合の構造とトンネル伝導の機構を原子レベルで明らかにすることが研究期間全体を通じた本研究課題の一つの目標であるが、三脚型分子の架橋構造の推定と伝導特性(Small 17, 2006709 (2021).)の解明が代表的な成果となった。通常の単一分子接合ではチオールアンカーなどを用いて電極と接合させるが、より安定な接合を維持するため、アンカー部位と分子骨格の間でπ共役が維持された新たな三脚型分子の架橋構造と伝導特性を明らかにした。特に架橋構造の解析には、測定で得られた電流―電圧曲線に対して教師なしクラスタリングを導入し、データ科学の観点からも新たな解析方法を提案することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間が作ることのできる最小単位の部品である分子1つを電極間に架橋した単一分子接合は、電子デバイスの小型化や有機物ならではの電気応答の利用に向けて研究が進められている。単一分子の架橋構造を直接視認することはできず、電気伝導度の計測を通じて分子架橋を確認することになるため、単一分子デバイスの電気伝導特性の計測と評価の手法を確立することは重要な課題である。我々は、ブレークジャンクション法と教師なしクラスタリング、第一原理計算を組み合わせることで、架橋構造の特徴に従って電気伝導度を分類する手法を開発し、3脚型アンカー部位を用いた分子の架橋構造解析に応用した。
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