研究課題/領域番号 |
19K15510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 有明工業高等専門学校 |
研究代表者 |
古川 一輝 有明工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (10779961)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ブラウン運動 / 混合溶液 / 水素結合 / 溶液構造 / クラスター / 並進ブラウン運動 / 回転ブラウン運動 / アルコール水溶液 / 溶液化学 / ゆらぎ / 混合媒質 / 不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
水とアルコールはマクロには混ざり合うが分子レベルでは不均一であり、マクロとミクロな描像にギャップが存在する。近年、エタノール水溶液中の微粒子(直径1μm)の並進ブラウン運動から見積もられる粘性率がマクロな溶液の粘性率から逸脱することを明らかにされているが、混合溶液内の異常なブラウン運動が溶液内の不均一性に起因するかは解明されていない。 アルコール水溶液中の微粒子のブラウン運動の変位を測定して、正確な乖離量を決定する。粒子のサイズ依存性、実験温度依存性、表面修飾状態依存性を検討して、ブラウン運動粒子がマクロな粘性率から逸脱するメカニズムと混合溶液内の不均一性との関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
水とエタノールの混合溶液中に懸濁させた直径1μほどの球状粒子のブラウン運動は、バルク溶液の粘性率からは説明できない挙動を示す。微粒子のブラウン運動は、バルク溶液内の分子衝突に起因する運動であり、1μサイズで水とエタノールの不均一性があることを示唆している。本研究では、水とtert-ブタノールの混合溶液のマクロとミクロな粘性率を、ウベローデ粘性計と微粒子のブラウン運動で調査した。さらに、水とエタノールの混合溶液内に楕円体粒子の回転ブラウン運動もバルク溶液の粘性率からは説明できない挙動を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブラウン運動は、物理・化学・生体内でも見られる普遍的な現象である。アルコール水溶液は、構成する粒子が水とアルコールの2種類であるシンプルな複雑系であるが、そのアルコール水溶液においてもブラウン運動に異常性が見られることは注目に値する。多くの現実系は混合系であり、混合溶液中の微粒子のブラウン運動のダイナミクスに関する実験的知見の構築は、生体内での移送過程のモデル化に貢献できる研究である。
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