研究課題/領域番号 |
19K15513
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
飯田 健二 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (20726567)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光励起 / 電圧 / ナノ物質 / 界面 / 電子ダイナミクス / 溶媒和 / 電子移動 / 第一原理計算 / 光 / 層状物質 / 貴金属ナノ粒子 / 光誘起電子移動 / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体薄膜と貴金属ナノ粒子からなる電極系に低電圧を印加すると、入射光との相乗効果によって電流値が数倍増減することが近年報告されて注目を集めている。この現象では、薄膜と金属ナノ粒子が接するヘテロな構造において、各々が電子ドナーとアクセプターとして働いているだけでなく、フォノンが大きな役割を果たしていると考えられている。そこで本研究では理論計算手法を用いて、光・電圧といった外場とフォノン-電子の三者の相互作用を明らかにすることで、大きな電流を生み出す機構を解明する。
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研究成果の概要 |
不均一な構造を有する物質の光や印加電圧に対する応答の機構について理論計算研究を行った。そして、光誘起電子移動の効率や電圧の印加で生じるキャリア分布が界面での相互作用によって大きく変化することを明らかにした。さらに、量子力学と統計力学の方法論を融合して、固液界面の光と電圧に対する応答を計算できる手法を開発した。開発した手法を用いて、貴金属ナノ粒子と水の間の光誘起電子移動や不均一な電気二重層の特性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不均一な構造をもつ物質の光や電圧に対する応答の理論的研究は容易ではなく、これまで進んでこなかった。しかし、本研究によって方法論の開発が大きく進展した。そして、ナノ物質や単原子層状物質に特有の光や電圧に対する応答機構が明らかになった。さらに、光電場や電極電場によって界面に誘起される相互作用で電子移動の効率が大きく変化することが見いだされた。得られた知見は、界面と光や電圧の相互作用を制御するという観点から光電変換能を改変する指針を得ることに繋がる。希少な元素を用いた化学的性質の制御とは全く異なっており、潤沢に存在する物質を用いた光電極や光電子デバイスの設計に貢献すると期待される。
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