研究課題/領域番号 |
19K15517
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 仁徳 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90812595)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | イオンラジカル塩 / 分子性半導体・導体 / 超分子 / 相転移 / イオン伝導 / 超分子化学 / 分子性半導体 / ガラス転移 |
研究開始時の研究の概要 |
イオンラジカル塩は極めて優れた電子機能を持つ一方、結晶はほとんどの溶媒に溶解せず、また加熱により融点を示さずに分解する。そのためイオンラジカル塩は、融解・溶液等の液相を経由する薄膜化やインクジェット印刷等、「ハイスループットでのデバイス製造プロセス」に適用できない。そこで、イオンラジカル塩に大環状クラウンエーテルを第3の成分として加え、融点と安定な液相を持つイオンラジカル分子導体・半導体を開発する。またイオンラジカルと組み合わせる分子を設計し、融点の制御を行う。さらに融解後の冷却で期待されるガラス相や液晶相などの中間相および相境界近傍での物性を精査し、融解するイオンラジカル塩の機能を開拓する。
|
研究成果の概要 |
融解するイオンラジカル塩を得ることを目的に、柔軟な構造の超分子カチオンと電子伝導性を示すアニオンラジカルを組み合わせた塩を作製し、構造と物性を評価した。系統的な物質合成より、N-アルキル化ヘテロ芳香環カチオンと大環状クラウンエーテルからなる超分子カチオンとニッケルジチオレートアニオンを組み合わせることで、塩が融点を示すこと、導入するカチオンを変更することで、融点を制御可能であることが判明した。また固相で半導体電子伝導を示す塩が、融解によって塩の伝導がイオン伝導にスイッチすることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機エレクトロニクス材料は「軽くて柔軟」「構造・物性の高い設計性」「比較的小さな外部刺激による電子伝導の制御性」といった優れた特長を持つため、フレキシブルデバイス、高効率エネルギー変換デバイス、大面積表示素子など、次世代電子デバイスの創製に不可欠なものと認識されている。一方、分子性イオンラジカル塩は、極めて優れた機能性の結晶が見いだされているが、電子デバイスへの応用展開はほとんど試みられていない。イオンラジカル塩が有機溶媒への難溶解性、融点を示さず分解する性質を持つためである。本研究では、イオンラジカル塩を融解させる手法を見出し、電子材料へとつなげる端緒を切り開いた。
|