研究課題/領域番号 |
19K15518
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 熊本大学 (2020) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
関根 良博 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (40733465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 金属錯体化学 / 電子ドナー・アクセプター / 磁性 / 薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
金属錯体や有機ラジカルを基盤とした分子磁性が始まり約40年経つが、舞台はバルク(結晶や粉末)が中心で、薄膜はあまり例がない。これは対象の分子磁性体に適した薄膜構築法が未開拓であり、系統的な合成が困難だったためである。バルクと比べて薄膜は①サイズ制御可能で②透明性を有し③外場による物性変調が容易という複数の利点を持つので、機能発現へと展開できる。対象物質は電子ドナー(D)とアクセプター(A)が共有結合的に連結した多孔性磁石(D/A-MOF)であり、電荷/スピン/格子を協奏的に制御可能な化合物群である。D/A-MOFの薄膜構築法を確立し、電気化学的手法による高速な磁気機能制御を達成する。
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研究成果の概要 |
本研究では、電子ドナー(D)とアクセプター(A)が共有結合的に連結した電荷移動型集積体(D/A-MOF)を研究対象化合物として、薄膜化の構築と電子・磁気的性質のスイッチングを目的として行った。D/A-MOFは、電荷・スピン・格子を協奏的に制御可能な化合物群である。カルボン酸架橋ルテニウム二核錯体(D)とTCNQ誘導体(A)を用いた電気化学的析出法により、電荷移動型集積体薄膜の構築に成功した。さらに、置換基の異なるD/A構築分子を用いることでさまざまなD/A-MOF薄膜の最適な創出法を開拓した。また、電気化学的酸化還元によりD/A-MOF薄膜の電子状態変化の可逆的・高速なスイッチングを達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外場応答性分子としてエレクトロクロミック分子やスピン転移化合物、pH応答発光分子など数多く報告されているが、電気化学的刺激によって磁気機能変換を示す分子性化合物は稀有である。本研究の対象物質が酸化還元活性な磁気格子であるため、電気化学的な電子輸送・イオン輸送に伴って高速な磁気機能変換が期待できる点は意義深い。
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