研究課題/領域番号 |
19K15520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
珠玖 良昭 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (90816216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 分子性ハニカム構造 / バンド構造 / 分子性結晶 / 固体物性 / 炭素同素体構造 / トリプチセン誘導体 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素同素体としてよく知られるグラフェンや理論的に構造が提唱されたK4炭素は、sp2炭素のみにより構成された高い対称性の結晶構造を有する物質である。単層グラフェンの研究で急激に注目を集めたディラック電子系の物理は、理論・実験の両面から活発に研究が進められている。本研究では、この炭素同素体の物理を、炭素原子の代わりに分子を用いて展開し、分子の特性を活かしてさらに発展させる。特にトリプチセン誘導体のように立体的にπ共役系を有する分子を用いて、原子では実現困難な結晶構造・電子構造の構築を行い、それに基づく特異な物性の発現を目指す。
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研究成果の概要 |
グラフェンのようなsp2炭素が作る炭素同素体構造の示す特徴的な物理を、構造制御や価数制御に利点を有する分子を用いて構築することで、さらに発展させることを目的として、分子により炭素同素体構造を構築する方法論の開拓と、得られた構造の発現する物性の探索を行った。3回対称性を有する種々のトリプチセン誘導体を用いることで、2次元的な相互作用を有する結晶を得ており、系統的な理論計算によってこのような分子群が作る対称性の高い結晶構造のバンド構造にはグラフェンの示すディラックコーンに加えフラットバントという特徴的なバンド分散が必然的に含まれることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
立体π共役系に着目し、実験的に幾何学的な結晶構造の構築法の開拓を、理論計算からその構造に基づく特徴的な電子構造の理解を進めた本研究の成果は、物性研究や材料科学において分子の形に基づく結晶配列や多段階の酸化還元能に基づくバンドフィリング制御という研究指針を示したもので、近年注目を集める炭素同素体構造の物性開拓に資する結果と考えられる。
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