研究課題/領域番号 |
19K15524
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
堀 優太 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (40806915)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | プロトン伝導機構 / 分子動力学計算 / 量子化学計算 / 分子運動 / イミダゾール / PVPA / コハク酸 / プロトン移動 / ポテンシャルエネルギー / 理論計算 |
研究開始時の研究の概要 |
プロトン伝導物質(PCM)は固体燃料電池の電解質材料として注目されており、その伝導機構を理論的に理解することは高性能なPCMの設計には必要不可欠である。本研究では、高プロトン伝導性を示すイミダゾール(Im)分子を取り上げ、Im分子と酸性分子から成る高分子複合体および有機結晶PCM中のプロトン伝導機構を解明することを目的とする。さらに、得られた知見から、各PCM中の伝導機構の相違・類似点について考察し、高性能なPCM設計のための指針を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、イミダゾール(Im)を含む高分子複合体と有機結晶中のプロトン伝導機構を理論計算により調べた。 分子動力学計算から複合体中の水素結合構造やImの運動性、また構造と運動との関係性について議論した。計算・解析の結果、複合体中ではプロトン伝導はGrotthuss型の機構であることが示唆された。 量子化学計算から有機結晶中のプロトン伝導に関わる水素結合構造、プロトン移動、分子運動について議論した。計算・解析の結果、プロトン伝導経路中では、分子間プロトン移動とImの回転運動のカップリングによりプロトン伝導が起こりうることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、イミダゾールを含む高分子複合体と有機結晶中のプロトン伝導の分子レベルでのメカニズムを理論計算により明らかにした。特にプロトン伝導に関わるプロトンダイナミクスは実験により調べることが困難であるため、本研究によりその詳細を明らかにすることができた。本研究結果は、今後の高性能なプロトン伝導物質を設計する上で参考になる結果であり、物質開発の展開の足がかりとなる研究成果であると言える。 また、これらの研究で用いた計算手法は、様々なプロトン伝導物質の解析に利用可能であり、今後の継続した解析により、プロトン伝導機構の全体像が明らかになることが期待される。
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