研究課題/領域番号 |
19K15529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
千葉 湧介 筑波大学, 数理物質系, 助教 (10823718)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ロタキサン / 蛍光センサ / 光誘起電子移動 / メタセシス反応 / ホスト-ゲスト / メタセシス / ラジカル / 蛍光センサー / 刺激増幅 / ポリマー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では超高感度酸素活性種センサの開発を目的として、新規ロタキサン型酸素活性種センサの合成を行う。高感度なセンシングを実現する手法として、ロタキサンの、ストッパーの開裂を経る分解機構に着目した。分解機構のトリガーに酸素活性種を適用することができれば、ロタキサンを酸素活性種一分子から多分子に分解できる。それに加え、ロタキサンの構成要素が蛍光性環状分子とクエンチャーとなる軸分子であれば、酸素活性種一分子が複数の環状分子の蛍光をONとする刺激増幅を利用したセンシングを実現できると期待した。本研究では、刺激増幅機構を利用した新規ロタキサン型酸素活性種センサの開発を行う。
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研究成果の概要 |
蛍光センサは、細胞中の化学種の分布を調べるためのツールとして有用である。酸素活性種は生体のシグナル伝達に大きな役割を果たしているが、その反応性が高く存在量が少ないため酸素活性種のための高感度センサの開発が望まれる。本研究では、環状分子と軸分子からなるポリロタキサンを用いることでターゲットとなる化学種の刺激を増幅可能な蛍光センサを開発できると着想した。本研究では試験的に[2]-ロタキサンを合成し、フッ素アニオンとの反応を実施することで、ロタキサンの蛍光センサとしての有効性を検証した。その結果、フッ素アニオンの添加によってロタキサン構造の分解に基づく蛍光増強が観測され、本構造の有効性が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の蛍光センサはターゲット化学種と蛍光センサとの1:1反応を用いるため感度には限界がある。本研究では、ターゲット化学種1分子から複数の蛍光センサの蛍光がONとなりうるポリロタキサンを提案し、その基本骨格となる[2]-ロタキサンに関して蛍光センシング能を検討したところ、ロタキサン構造の分解による蛍光増強を確認した。この結果はポリロタキサン構造を用いることで、ターゲット化学種1分子の刺激を増幅可能な高感度センサへの展開が期待できる。
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