研究課題/領域番号 |
19K15533
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 (2020-2022) 東京工業大学 (2019) |
研究代表者 |
土戸 良高 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 助教 (00814344)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 分子ギア / 分子機械 / 分子ブレーキ / トリプチセン / アゾベンゼン / フォトクロミック / 回転運動 / 分子マシン / 動的挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,直径10億分の1メートル(1ナノメートル)の歯車の形をした分子が6個以上噛み合った有機化合物を合成し,この回転伝達の様子を解析する.「分子の間で力がどのように伝達していくのか」は未だ研究が進んでいない領域である.さらにブレーキ部位が組み込まれた分子ギアを合成し,光照射による歯車の回転運動の可逆なオンオフ制御も達成する.本研究の内容は,将来の分子機械の開発に大きく寄与するものである.
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研究成果の概要 |
本研究では,歯車状構造をもつ有機化合物であるトリプチセンを回転子とし,それが複数個噛み合った多連分子ギアの合成と回転伝達の解析・制御を行った.具体的には,1) U字型構造をもつ有機スペーサーを用いることで最大6個の回転子が並列に噛み合った「平歯車型分子ギア」,2) V字型白金錯体をスペーサーを用いることで回転子が垂直に噛み合った「傘歯車型分子ギア」,3) 「ブレーキ部位」が組み込まれた分子ギアを合成することに成功した.これらの回転子は有機溶媒中で連動して回転運動しており,その速度は回転子の数に依存することが明らかとなった.3)に関しては外部刺激に応答して回転速度を変調することに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,1) 最大5 nmまで回転運動を伝達する能力を有し,さらに歯車の噛み合いのオンオフを外部刺激によって制御できる平歯車型分子ギア,2) 回転子の噛み合いをホスフィン配位子の構造で制御できる傘歯車型分子ギア,3) 傘歯車と平歯車が連動して回転運動を起こす分子ギア,4) アゾベンゼンの光異性化(光刺激)とエチニル基への銀イオン配位(化学刺激)という2種類の外部刺激を組み合わせることで2段階の回転速度の制御できる分子ギアの合成に成功した.これらの成果は,未だ研究が進んでいない分子間での回転運動の伝達に関する新しい知見であり,複雑な運動挙動を示す分子機械の開発に大きく寄与するものである.
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