研究課題/領域番号 |
19K15539
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大町 遼 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 講師 (60711497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / トランジスタ / 内包 / ドーピング / 薄膜トランジスタ / p-ドーピング / イソマルトデキストリン / 水系相分離 / 熱架橋アミンポリマー / 有機ハロゲン化剤 / 臭素 |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)は優れた導電性を有する魅力的な物質であるが、実際に導電性フィルムなどに用いる場合には、ドーピングと呼ばれる正孔の注入を行い導電性を向上が必要である。しかし、臭素など多くのドーピング分子は揮発性や大気不安定性のため、経時変化によりCNTの導電性が減少してしまう問題を抱えている。 本研究では、臭素前駆体としての有機ブロモ化剤の内包による、効率的なドーピング法の確立を目的とする。内包により外環境から遮断されることで、ドーピングの長期安定性が期待できる。長期間安定なCNTのp型ドーピング法を確立した後には、CNT薄膜を作製し低抵抗な透明導電性フィルムの創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では有機ハロゲン化剤のCNTへの効率的内包技術の確立し、CNTの長期安定ドーピング技術の開発を目的とした。有機ブロモ化剤を用いて、臭素原子がCNTに取り込まれ、p型ドーピングしていることを確認したものの、トランジスタ特性を変化させるほどの効率的なドーパント内包には至らなかった。一方で、検討の過程において、いくつかの有機酸化剤が高温条件および長期安定性に優れたpドーパントとして作用することを確認している。また、評価デバイスである薄膜トランジスタを作製する上で必要となった、半導体CNTの分離方法と新規CNT薄膜形成法もあわせて見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行によりCNTトランジスタの実用化に向けての課題の一つであったドーピング技術の確立と長期安定動作の実証に向けての手法が確立された。本研究をさらに発展させることで、人に貼って使えるストレッチャブルCNTデバイスなどの実用化への道が拓けるという意味でその意義は大きい。
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