研究課題/領域番号 |
19K15544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
SHANG RONG 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (70754216)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ホウ素 / B-B結合活性化 / 金(I)錯体 / ホウ素N-ヘテロ環状カルベン / ジボロン(4)を活性化 / ジボロン錯体 / B-B σ錯体 / metal boryl complexes |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属元素によるジボランの活性化を鍵反応とする触媒的ホウ素-炭素結合形成は選択性,汎用性,信頼性に優れているので,合成化学的に極めて重要な反応の一つになっている。ホウ素の電気陽性でかつ電子不足という性質は,従来にはない形式の結合 活性化を可能にする一方,ホウ素-金属結合を有する活性中間体の単離を困難にしており,重要なステップと考えられている遷移金属元素によるB-B結合活性化段階についての実験的知見は得られていない。本研究では,遷移金属元素によるB-B結合活性化の機構を実験的に明らかにするために,配位子前駆体として含窒素三員環を用いて,B-B結合活性化の遷移状態モデルとみなせる錯体を合成する。
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研究成果の概要 |
本研究では,遷移金属元素によるB-B結合活性化の機構を実験的に明らかにするために,配位子として含窒素三員環azadiboriridine(BNB)を用いて,B-B結合活性化の遷移状態モデルとみなせる金属-ジボロン錯体を合成した。BNB配位子のホウ素上の置換基を変化させ,11族、金(I)錯体形成における置換基の立体的および電子的効果を調査したところ,置換基を変化させた関連化合物の合成に成功した。さらに,金ジボロン錯体から含ホウ素N-ヘテロ環状カルベン(BNC)錯体を合成し,構造決定および物理的,化学的特性に及ぼすホウ素置換基による電子的効果を調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遷移金属はジボロン(4)を活性化し,不飽和有機分子のホウ素化触媒として働くことが知られている。この反応によって,高度に官能基化されたアルケニルボリル化合物の位置および立体選択的な合成が可能になった。得られた有機ホウ素化合物は,続く鈴木-宮浦クロスカップリング反応などのC-C結合形成プロセスに広く利用され,付加価値の高い天然物,生理活性分子および機能性材料のビルディングブロックとして広く用いられるようになった。本研究は未解明であった触媒的ホウ素化プロセスの最初の,そして触媒サイクルで重要なステップである金属により促進されるB-B結合活性化のメカニズムに関しての知見を得ることができた。
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