研究課題/領域番号 |
19K15547
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久保田 浩司 北海道大学, 化学反応創成研究拠点, 特任助教 (60824828)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 固体反応 / クロスカップリング / ナノフラフェン / ボールミル / メカノケミストリー / ナノグラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
ナノグラフェンは、有機ELや有機薄膜太陽電池への応用が期待できる次世代マテリアルであり、その性質は環構造の違いによって大きく変化する。これまで様々な合成法が開発されてきたが、有機合成化学的アプローチによって微細な環構造を精密に制御して合成するボトムアップ合成法に注目が集まっている。しかしながら、既存の方法では原料あるいは生成物が有機溶媒に溶けないという「溶解性問題」を常に考慮する必要があり、分子デザインに大きな制限があった。本研究では、我々が独自に開発した固体内クロスカップリング反応の応用または更なる改良を加え、「溶解性問題」に左右されないナノグラフェンの固相ボトムアップ合成を目指す。
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研究成果の概要 |
ナノグラフェンは次世代カーボンマテリアルとして注目されているが、原料あるいは生成物が溶媒に溶けないという「溶解性問題」のため、その分子デザインに大きな制限があった。本研究では、「溶解性問題」に影響されないナノグラフェンの固相合成を達成することを目的に、新たに二つの新反応の開発に成功した。まず、ボールミルを用いた固体鈴木-宮浦クロスカップリング反応の開発に初めて成功した。さらに、ヒートガンで加熱しながらボールミルを行う高温ボールミル法を利用することで、この固体カップリング反応の高性能化に成功した。この反応は不溶性のアリールハライドに適用可能であり、ナノグラフェン合成において重要なツールとなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノグラフェンは、次世代カーボンマテリアルとして幅広い応用が期待されている。本研究で新たに開発した固体クロスカップリング反応は、従来の溶液系有機合成反応では困難な不溶性アリールハライドのカップリングを可能とするため、様々な新奇構造を有するナノグラフェンの固相合成に応用されることが期待される。その結果、革新的な機能をもつナノグラフェンの合成が達成され、新たな電子デバイス等の開発が加速することが期待される。
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