研究課題/領域番号 |
19K15549
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池内 和忠 北海道大学, 理学研究院, 助教 (70756676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ツチン / コリアミルチン / 全合成 / 分子内アルドール反応 / セミピナコール転位 / シクロペンタ-1,3-ジケトン構造 / 2-アセチルフラン / 植物毒 / 5,6-cis縮環 / 分子内環化 / コリアントン / ツチン配糖体 / 短工程合成 |
研究開始時の研究の概要 |
日本三大有毒植物の一つであるドクウツギ科植物に含まれる神経毒「ツチン」、および最近単離された「ツチン」の構造類似体「コリアントン」と「ツチン配糖体」の化学合成を目指す。その合成アプローチに独自で見出した分子内環化反応を利用する。本法によって四つの天然物の共通構造である二環性骨格を立体選択的に構築後、短工程かつ効率的に標的天然物に導ける合成経路を見出す。また、「コリアミルチン」のような他の構造類似化合物の合成にも展開する。
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研究成果の概要 |
ツチンはドクウツギから単離されたピクロトキサンセスキテルペノイドの一種であり、高度に官能基化された5,6-cis縮環骨格を有した天然物である。ツチンは神経毒を示すが、その誘導体は活性を示さないことが最近報告されている。構造の複雑さと、微妙な構造の差異によって活性が変化することに興味を持ち、それらの全合成に取り込んだ。その結果、ツチンの2位のヒドロキシ基が欠如したコリアミルチンの形式全合成を達成した。鍵反応に、L-プロリンを用いた分子内アルドール反応を用い、5,6-cis縮環骨格を高立体選択的に構築した。現在、本反応をツチンの合成に応用するために、反応前駆体の効率的合成法を開発している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
確立したコリアミルチンの合成経路は他の天然物合成へのアクセスが容易である。例えば、分子内アルドール反応によって得られる5,6-cis縮環化合物は5員環上にケトンを有するため、それを足がかりにピクロトキシニンやコリアノールなどのツチン類縁体合成への発展が見込める。また、脱水を経由して橋頭位のヒドロキシ基を水素に置換すれば、他の種類のデンドルビンセスキテルペンの合成研究も可能となる。
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