研究課題/領域番号 |
19K15553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2020) 千葉大学 (2019) |
研究代表者 |
鍬野 哲 東京工業大学, 理学院, 助教 (50733531)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有機ホウ素触媒 / ベンズアザボロール / 無保護糖 / 直截的分子変換 / スルホニル化 / アシル化 / 速度論的分割 / 保護基 / グリコシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖類は感染過程や癌転移などの細胞間相互作用や、細胞分化などの生命維持に関わる重要な物質である。近年、一段階での無保護糖の位置選択的官能基化の試みが始まっているが、これまでに、低毒性触媒を用いて制御した「幅広い無保護糖」に適用できる「一段階官能基導入法」の開発例はない。本研究の目的は、 1. キラルホウ素触媒を用いる「様々な無保護糖」に対する「多様な官能基」の一段階導入 2. グリコシルドナーと無保護糖を組み合わせる二糖ビルディングブロック群の網羅的合成 3. 糖側鎖を有する配糖体天然物及び生物活性化合物の効率的な誘導化と活性評価 であり、無保護糖の直截的分子変換法の開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
糖類の合成には多段階を要する保護/脱保護法が歴史的に汎用されてきたが、近年、保護/脱保護法に頼らない一段階での無保護糖の位置選択的官能基化法の開発が求められている。本研究では、独自に開発したキラル有機ホウ素触媒を用い、ガラクトース、ガラクトサミン、アラビノース、ラムノース、マンノース等の様々な無保護糖の単工程での位置選択的な官能基化を達成した。更に、本手法を活用し、位置選択的スルホニル化を介した無保護糖の速度論的分割を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、低毒性触媒を用いて制御する、幅広い無保護糖に適用可能な一段階官能基導入法の新たな例である。本手法を用いることで、糖関連化合物の迅速合成が可能となり、生命科学分野における生命現象探求や医薬品開発などの更なる加速が期待される。一方で、有機分子触媒の分野において、キラルベンズアザボロール触媒の開発と応用は未成熟な研究分野である。新規キラル分子性触媒の開発という基礎研究の側面からも学術的価値がある。
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