研究課題/領域番号 |
19K15557
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 由樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (70835298)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 連続フロー / 不斉反応 / 不均一系触媒 / 水素化反応 / Friedel-Crafts反応 / ロジウム / スカンジウム / 不斉水素化 / キラルロジウム / キラルスカンジウム / 新規固定化 / キラル触媒 / 光学活性アミン / 連続フロー法 |
研究開始時の研究の概要 |
不均一系触媒を用いる連続フロー法による不斉合成は、医薬品等の光学活性化合物の合成を志向する際に鍵となる。本研究では、担体の設計により種々のカチオン性均一系触媒を共通の手法で簡便に不均一化する手法を開発し、不均一系触媒の迅速なライブラリ構築を行う。それら不均一系触媒を用いフロー条件にて性能評価を行い、フロー法に適した不均一系触媒を見出すことを目的とする。ヘテロポリ酸を担持したアミン修飾メソポーラスシリカを担体用いて、概念実証として不均一系キラルロジウム・イリジウム触媒による炭素‐炭素二重結合の立体選択的水素化反応をフロー条件にて実現することを目標にする。
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研究成果の概要 |
キラル不均一系触媒を用いる連続フロー反応は最も効率的な光学活性化合物の連続合成法である。従来のキラル不均一系触媒の殆どはキラル配位子を共有結合により担体へ固定化する手法が用いられてきたが、活性・選択性・耐久性に問題をがあった。本研究では、非共有結合性相互作用を活用することで、キラル錯体と担体を溶液中混合するのみで容易に調整可能な固定化手法の開発を行った。調製されたRh固定化触媒はフロー条件下、エナミドの不斉水素化反応やアルデヒドの不斉ヒドロアシル化反応において高活性・高選択性・高耐久性を有することを明らかにした。またSc触媒を固定化することで不斉Friedel-Crafts反応を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品等の化成品の多くは光学活性化合物であるため、その連続合成は環境調和型生産の実現のための重要な手法である。不均一系触媒による連続フロー合成は触媒と生成物の分離・触媒の回収・再使用が同時に達成される有力な手法であるが、これまでの不均一系触媒は活性・選択性・耐久性に課題を有していた。本研究では非共有結合的相互作用を活用する触媒の新規固定化法の開発を行った。調整された不均一系ロジウム触媒は、水素化反応において高活性・高選択性・高耐久性を発揮し、実際の医薬有効生物の中間体の連続生産も実現した。
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