研究課題/領域番号 |
19K15558
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠本 周平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60737831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 金属配位子協働 / 結合切断 / 酸化的付加 / 炭素水素結合 / メタン / イリジウム / C–H結合 / 金属配位子協働作用 / 金属-配位子協働 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では単純アルカンのカルボニル化合物への直接CH付加反応開発を目的とする 石油・天然ガス中に最も豊富に存在する炭素資源であるアルカン類の合成的有効利用を目指し、炭素原子を直接求核剤とした有機合成を開発する。この目的達成のため、電子不足シクロペンタジエノン金属錯体による金属配位子協働的炭素水素結合切断という新規素反応を開発する。
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研究成果の概要 |
電子不足シクロペンタジエノンイリジウム錯体を開発し、「炭素-水素結合の不均等酸化的付加」という新規素反応の開発に成功した。メタンに代表される単純アルカンの炭素水素結合切断にも活性を持ち、触媒的重水素化反応への応用を行った。天然ガスなどの豊富に存在する炭素資源の新しい活性化法として期待される。さらに有機合成において重要なホウ素-水素結合やケイ素-水素結合の活性化にも拡張し、これまでの水素マイナスとしての反応性からホウ素・ケイ素マイナスとしての反応性へと転換する、極性転換を初めて達成した。有機合成の戦略を大きく広げる革新的触媒反応である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素-水素結合の切断という有機化学において最も基礎的でありかつ最も重要な素反応の歴史において、3つ目となる新しい形式を提供した研究である。天然ガスなどの豊富に存在する炭素資源の有効利用や有機合成化学における新規手法の開発につながると期待される。 また、ホウ素-水素結合やケイ素-水素結合は有機合成において頻用される重要な化学種であるが、これまではホウ素プラスと水素マイナス、ケイ素プラスと水素マイナスという性質を利用して有機合成化学が発展してきた。本研究成果はその結合の分極を真逆に切断することに成功した。より単工程、高効率での有機合成反応開発につながる基盤技術である。
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