研究課題/領域番号 |
19K15562
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増田 侑亮 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (20822307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 糖 / 水 / 光 / イリジウム / 光酸化還元触媒 / 光反応 / 無保護 / 脱酸素化 / 位置選択的官能基化 / ケトン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光とケトン触媒を用いた糖の2位選択的脱ヒドロキシル化および官能基化反応の開発を行う。すなわち、グルコースに対して水中で光励起されたケトンを作用させることで、水素引き抜きとラジカルの転位を経て、2―デオキシグルコノラクトンへと変換する。また、生成するラジカル中間体を他の反応剤で補足することにより、糖の2位選択的官能基化を行う。これによって、従来は保護・脱保護を含む多段階の合成を必要としていた糖の2位における置換反応を、極めて簡便に行うことができる。
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研究成果の概要 |
糖は生体機能に欠かすことのできない必須化合物であり、その効率的な変換手法の開発は有機合成化学における最重要課題のひとつである。本研究では水中で光を照射することによって糖類の直接変換を達成した。すなわち、水溶性ケトンを触媒とすることで、グルコースなどのアルドースを直接2ーデオキシ糖へと変換する手法を開発した。さらに、触媒を金属錯体へと改良することで、幅広い糖を効率的にデオキシ糖へと変換することができた。デオキシ糖は、DNAやエリスロマイシンに含まれる重要な化合物群であり、本手法によって入手容易な糖から簡便に合成することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、水中での光反応が糖類の変換に効果的であることを示した点で学術的意義が大きい。従来の有機溶媒中での反応では、糖類を適切に修飾することでその溶解性や反応性を制御していた。しかし、修飾過程における行程数や廃棄物の増加が問題であった。一方本研究では光を用いることで、有機溶媒の使用と反応前修飾の二つの問題を解決し、高効率かつ高付加価値な糖類変換反応を達成した。本手法は既存の糖類の合成を効率化するだけでなく、新規糖類縁体の合成に役立つことから、医薬や材料など幅広い分野への波及効果が期待できる。
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