研究課題/領域番号 |
19K15564
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
兒玉 拓也 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80823989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | トロポン / 遷移金属錯体 / 典型元素錯体 / 触媒的分子変換 / トロポノイド / 不活性結合活性化 / フェナレニル / 不活性結合活性 / 金属ー配位子共同作用 / 有機合成化学 |
研究開始時の研究の概要 |
遷移金属錯体を用いた反応開発において、配位子設計は重要な位置を占める。本研究では、七員環パイ電子系化合物であるトロポンを配位子とした金属トロポノイド錯体の合成と、分子変換反応の開発を目指す。七員環芳香族トロピリウムの形成を鍵とした分子活性化手法を提唱し、これを実証する。更に、本手法を有機合成手法として昇華させ、従来型触媒では達成できない分子変換反応の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では環状共役ケトンであるトロポンを配位子としたロジウム、イリジウム、および鉄錯体を合成し、その構造、物性、および反応性を明らかにした。合成したロジウム錯体を用いて触媒水素移動反応が進行することを見出した。また、関連するニッケル錯体の合成を検討した際に見出したトロポン誘導体の環縮小反応に関して、錯体化学的観点から詳細に機構を検討し、これを触媒化した。さらに、トロポロンと9-ヒドロキシフェナレノンとの構造類似性に着目し、後者のアミノ誘導体を配位子とした低原子価典型元素錯体を合成し、その物性・反応性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、π電子系骨格であるトロポンが触媒反応の配位子として機能することが示された。また、ニッケル錯体を用いて小分子の脱離をともないながら触媒的に環縮小反応は、近年活発に研究が展開されている分子編集反応のひとつとして意義がある。更に、本研究で開発したフェナレニル型配位子は、近年その利用が期待されている低原子価典型元素錯体を安定化するための有用な配位子として寄与すると期待できる。
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