研究課題/領域番号 |
19K15573
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
武藤 慶 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (60778166)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脱芳香族化 / 脂環式化合物 / パラジウム触媒 / 多成分反応 / 芳香族分子 / シアノヒドリン / 芳香族 / パラジウム / 配位子 / 空間制御 / 分子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
置換脂環式分子のモジュラー合成法の確立を志向し、金属触媒を用いたベンジルアルコール誘導体の脱芳香族的官能基化反応の開発を行う。本研究で鍵となるのが生成するπ-ベンジル錯体の反応性の制御である。ベンジル位での置換反応を抑制し目的の脱芳香族的反応を優先可能な触媒設計が求められる。本研究では嵩高く、かつ金属中心に反応空間を保持できる傘型構造の配位子の使用を鍵とし、脱芳香族的官能基化反応を達成することを目指す。対象とする化合物は、脱芳香族的反応の後にさらなる変換可能なベンジル位に電子求引性基をもつものとし、多置換脂環式分子の簡便合成法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
平面分子である芳香族化合物から三次元性の高い構造をもつ脂環式分子を合成する、脱芳香族的官能基化反応の開発に成功した。幾多数多の芳香族化合物が存在するが、本研究で対象としたのは本分野で最も普遍的であるものの変換が難しいベンゼノイド類である。 本研究では、芳香族シアノヒドリンやブロモアレーンを脱芳香族的に炭素官能基化する手法の開発に成功した。不活性な芳香環に分類されるこれら化合物を一当量のみ用いて効率的に反応が進行する効率性の高い手法を見いだした。また、得られる生成物は種々の有機合成手法を用いて豊かな三次元性をもつ脂環式分子へと誘導体化できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三次元性の高い脂環式分子群は高い生物活性や標的タンパク質選択性を示すため、近年創薬化学において再注目される構造単位である。本研究では、石油資源や医薬品候補化合物群のどちらにも多く見られるユビキタスな分子構造単位である芳香族分子を三次元性の高い分子へ迅速な変換を可能にする新規手法の開発を目指した。本研究の成熟は、複雑三次元構造分子の短工程合成や、迅速な医薬品候補分子探索の助けとなり、有機合成化学の枠を超えて波及効果を及ぶすことができる。 また、短工程合成は廃棄物の少ない分子合成に直結するため、SDGsの要求も満たす。
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