研究課題/領域番号 |
19K15581
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹澤 浩気 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60813897)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 自己組織化 / 可視光反応 / ホスト-ゲスト / 錯体化学 / 配座固定 / 有機合成化学 / 分子認識 / ホスト-ゲスト |
研究開始時の研究の概要 |
反応基質の配座・立体環境を制御可能な中空錯体に対し可視光応答部位(光増感部位)を組み込んだ新奇可視光応答性中空錯体を合成する。この中空錯体を用い、通常の条件では合成困難な化合物を、前駆体の配座制御によって単工程で合成する手法を実現する。また、本研究で開発した反応系を高い歪みをもつ環状化合物や高度に修飾された基質の立体選択的合成へと展開する。
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研究成果の概要 |
本研究では、可視光応答性と配座固定能をもつ自己組織化中空錯体を新奇に合成し、分子認識能を活かした特異的可視光反応を開発することを目的とした。可視光応答性をもつRu(II)またはIr(III)錯体、Pd(II)またはPt(II)錯体とピリジンを配位部位とするパネル状配位子から、分子認識可能な空孔をもつ中空錯体を合成した。中空錯体は分子量250程度の炭化水素まで包接できた。Ru(II)を含む中空錯体にアルケンを包接し可視光を照射すると、酸化反応が効率よく進行した。Ir(III)を含む中空錯体では可視光によるオレフィンのE-Z異性化や酸化的開裂反応が、従来の光増感剤に比べ短時間・高収率で進行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
可視光(蛍光灯や太陽光)を用いた有機反応は、物質合成に必要なエネルギーを抑えるのみならず、副生成物の少ないクリーンな反応としても意義深い。可視光応答性の触媒は一般に基質から離れて作用するため、反応の効率や選択性が低いことも多い。本研究では、高効率・高選択性の可視光反応を、標的基質の包接ができる中空錯体を用いて実現する新しい手法を開発した。可視光反応の応用範囲を広げる一歩となる。
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