研究課題/領域番号 |
19K15586
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西井 祐二 大阪大学, 工学研究科, 講師 (70773787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アライン / ニッケル / ロジウム / 炭素-水素結合活性化 / 複素環化合物 / 環ひずみ / チオフェン / チアゾール / ベンザイン / ニッケル錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は「超環ひずみ分子」の発生手法を確立することで、新たな有機合成手法として応用することを目指す。ここで標的とする分子は、高度にひずんだ三重結合を持つ5員環アラインであり、ベンザインに代表される6員環アラインを活用した化学の発展に対して、手付かずのまま残されてきた未知の分子群といえる。まず、金属錯体化学の視点からアプローチすることにより、様々な5員環アライン分子の存在そのものの証明を試みるともに、その発生手法を最適化することにより、高反応性中間体として、多様な有機合成分野への応用が可能であると期待される。
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研究成果の概要 |
多重結合を持つ少員環化合物は、その環ひずみの解消を駆動力として様々な有機合成反応に利用できることが知られている。本研究では、チオフェンやアゾール類などの5員環芳香族分子に対応するアライン化合物の発生方法を研究し、金属錯体として単離および構造決定を試みた。また、炭酸ビニレンをアセチレン等価体として見なした新たな触媒的カップリング反応の開発に着手し、多様な複素環化合物の効率的な合成手法を開発した。本反応について量子化学計算を利用した反応メカニズムの解明を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
5員環アライン化合物を金属への配位によって安定化し構造決定することは、長年その存在が議論の対象となっていた高ひずみ分子について新たな知見を与える、学術的に意義深いものといえる。本研究により開発された、炭酸ビニレンをカップリングパートナーとした新たな触媒反応は、従来法で課題となっていた当量酸化剤を必要とせず、合成の難しい無置換の縮環構造を効率的な構築を可能となることは、強力な合成ツールとして広く利用されることが期待される。炭酸のみを副生するという点は、近年課題とされる環境調和性の観点からも優れた技術を開発できたといえる。
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