研究課題/領域番号 |
19K15588
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
片岡 祐介 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (20725543)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水素生成 / 金属錯体 / 水素発生 / 多核金属錯体 / 人工光合成 / 光水素発生 / ロジウム四核錯体 / ロジウム錯体 / 量子化学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
金属錯体を使用した水の光還元反応は, 次世代エネルギーとして期待される水素を生成する為の技術として期待されている。本研究では, 申請者が過去に開発した水の光還元活性(水素発生効率)を示すロジウム二核・四核錯体の更なる高効率化を目指し, 既存のロジウム多核錯体の水素発生反応機構における律速段階の1つである「Rh-H中間体形成後のHeterolytic経路」を, より低エネルギーで水素発生が可能な「Homolytic経路」を経由する様に, ロジウム四核錯体の分子構造を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、水素発生機能の優れたロジウム二核錯体をU字型ジカルボン酸架橋配位子で分子内に連結したロジウム四核錯体の開発を実施した。このロジウム四核錯体は、2つのロジウム二核錯体の間の配位空間を活用することで、ホモリティック経路で水素発生を行うことが可能である。開発したロジウム四核錯体は、シクロメタレート型イリジウム錯体(光増感剤)と第3級アミン(還元犠牲剤)の共存下、従来のロジウム二核錯体触媒よりも優れた水素発生触媒として機能することが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来ではヘテロリティック経路で触媒反応(水素発生反応)が行われている金属錯体触媒でも適切な配位空間(触媒活性空間)を介して単一分子内に連結させることで、より低エネルギーなホモリティック経路での触媒反応を実施できる事を確認した。本研究で開発したロジウム四核錯体の前駆体錯体であるロジウム二核錯体は、水素発生反応以外にも様々な触媒反応で応用研究が実施されている。よって、それらの触媒反応にも本研究で開発したロジウム四核錯体を活用する事で、従来の触媒効率の壁を超えれる可能性がある。現在、我々の研究グループでは、本研究で開発したロジウム四核錯体を使用した酸化触媒反応実験に着手している。
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