研究課題/領域番号 |
19K15589
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
堀内 新之介 長崎大学, 工学研究科, 助教 (50755915)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発光性超分子 / 自己集合 / 分子認識 / 分子間相互作用 / アニオン / キラル / 円偏光発光 / 分子対称性 / 包接誘起発光増強 / 異方性因子 / 光化学 / イオン対 / 超分子化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,発光性金属錯体を水素結合性カプセルに包接させることで得られる錯体内包型発光性超分子を用いて「自己集合性分子ホスト内での錯体化学」における光化学領域の更なる開拓を目指し,研究を行う。種々の発光性錯体・水素結合性カプセルからなる錯体内包型発光性超分子を合成し,錯体内包型発光性超分子の発光特性を自在に制御する方法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では,発光性金属錯体と水素結合性カプセルを組み合わせることで得られる錯体内包型超分子の光物性を,用いる発光性金属錯体を変えることでオンデマンドに制御する方法を確立することを目指した。その結果,用いるカチオン性錯体の対アニオンによって錯体内包型超分子の熱力学的安定性が変化し,観測される発光特性が変化することを見出した。また,発光性錯体の分子サイズを大きくすることで錯体内包型超分子が分子非対称化を起こし,円偏光発光の異方性因子g値も変化することが分かった。このように超分子形成に用いる発光性錯体の性質によって,アキラルな光物性だけでなくキラルな光物性も制御できることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって錯体内包型超分子の光物性をオンデマンドに制御する手法が明らかになった。近年ではレドックス活性の高い金属錯体の励起三重項状態を触媒として用いた研究が盛んに行われていることから,本研究で行われた成果は新たな発光性材料の開発につながるだけでなく,光レドックス触媒の開発にも応用できる可能性がある。また本研究では超分子形成に柔軟性が高い水素結合と分子間相互作用の協奏作用を用いている。本研究によって,通常では熱力学的に得ることが困難な低対称な分子集合体が生成することが明らかになったことから,本研究で用いている手法が新奇な分子集合構造を与える新しい方法論になる可能性がある。
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