研究課題/領域番号 |
19K15591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田部 博康 大阪市立大学, 人工光合成研究センター, 特任講師 (50803764)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | プルシアンブルー / 配位高分子 / ナノ粒子 / コアシェル構造 / 配位子交換反応 / コアシェル / 金属錯体 / シアノ架橋金属錯体ポリマー / 吸脱着 / 配位不飽和サイト / シアノ架橋錯体ポリマー / コアシェル微粒子 / 小分子 / 吸着 |
研究開始時の研究の概要 |
一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)といった小分子は、生体内で情報伝達物質となるなど様々な機能を有する。本研究では、これらの小分子の放出順序や速度を精密に制御できる新規材料の合成に取り組む。シアノ架橋金属錯体ポリマーは、金属イオンとCN配位子が交互に連結した配位高分子である。まず、CN配位子の一部を、CO、NO、NH3、H2Sと置換することで、小分子をポリマー骨格内に高密度に固定する。この錯体ポリマーを階層(コアシェル)化することで、コアとシェルに異種小分子を固定した微粒子を得る。この微粒子から、シェル、コアに含まれる小分子を逐次的に放出させる。
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研究成果の概要 |
研究計画に掲げた階層型配位高分子を合成するためには、コアおよびシェルの双方に反応活性を持たせることが重要である。1年度目では、様々なシアノ架橋錯体ポリマーのコアシェル型微粒子を合成し、その反応特性について評価した。具体的には、反応不活性なシアノ架橋金属錯体ポリマーをコア、活性な錯体ポリマーをシェルとすることで、コア部位とシェル部位の相互作用、および外部環境に応答するシェルの厚さについて詳細に評価した。2年度目には、小分子を単座配位子として含むシアノ架橋金属錯体ポリマーを合成し、小分子の放出機能に深く関連する単座配位子の配位子交換反応活性について評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンモニア、一酸化窒素、一酸化炭素といったガス状小分子は産業上有用であるのみならず、生体内の情報伝達物質として医療分野からも注目が集まっている。近年、様々な多孔性物質による小分子吸脱着機能について研究が多くの研究がなされているが、複数の小分子を選択的あるいは逐次的に吸脱着できる材料はほとんど報告されていない。本研究成果は、新たな機能をもつ小分子吸脱着材料の調製法として産業上有用である。また、多孔性材料のどの部分(再外表面・表面近傍・内部)から小分子が放出されるか、吸脱着活性点となる配位不飽和サイトの電子状態をどのように制御するか、といった点について基礎的知見を得た点で学術的意義がある。
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